電子タバコJuul Gettyimages

米国政府の規制強化に苦戦する電子タバコの「Juul(ジュール)」は、海外に活路を見出そうとしているが、中国に進出した直後に、大手Eコマースサイトで販売中止になったことが判明した。発売中止の理由は開示されておらず、再発売の可能性についての記述も無い。

Juulは9月12日から、アリババのTmallとJD.comでベープペンやポッドの発売を開始していた。同社のベープペンと2種類のフレーバーのポッドは約42ドルで販売されていた。しかし、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、週末までにJuulのプロダクトは2つのEコマースサイトから消えたという。

WSJはアリババやJD.comに、この措置が中国政府の要請を受けてのものなのかを尋ねたが、回答は得られなかったという。

WHOのデータで、中国の喫煙者は3億人以上で、60%近くが男性だとされている。中国のタバコ市場は、国営企業の独占状態にある。Juulの広報担当はプロダクトがEコマースで入手不可能になったことを認めたが、「今後も関係者と話し合いを継続する」と述べた。

しかし、製品が販売中止になった理由については回答を避けた。Juulに18億ドルを出資し、発行株式の35%を保有するアルトリア(Altria)の株価は、9月12日以降に7.5%の下落となっている。

世界のタバコ市場が縮小する中で、アルトリアとフィリップモーリスは合併に向けた話し合いを始動させた。米国のトランプ政権はフレーバーつきの電子タバコを禁止しようとしており、その動向が合併交渉に影響する可能性もある。

Juulにとってアジアは今後の事業の核となる市場だ。先進国で喫煙率が下がる中でタバコメーカーは売上減少に苦しんでいるが、タバコの規制が緩いアジアではまだ成長が見込める。サンフランシスコ本拠のJuulは2018年に10億ドルを超える売上を記録し、インドネシアや韓国、フィリピンにも進出している。

編集=上田裕資

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