これに先立ち、クラフト・ハインツの2番目の大株主であるブラジルの投資会社3Gキャピタル・パートナーズが、同社株の保有比率を約20%に引き下げていたことが明らかになっていた。
3Gキャピタルが16日付けで米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によれば、同社は保有していたクラフト・ハインツ株およそ2510万株を、1株28.44ドルで売却していた。これについてクラフト・ハインツの広報担当者はフォーブスに対し、次のように述べている。
「3Gキャピタルが今後も引き続き、長期的に当社の株式を保有していくことに変わりはない。現在のところ彼らには、当社株をさらに売却する計画はなく、またその意思もない」
3Gキャピタルの創業者でクラフト・ハインツの取締役でもあるジョルジ・パウロ・レマンは、個人で保有するクラフト・ハインツ株を約1億ドル(約108億円)分増やしている。広報担当者によれば、レマンと3Gキャピタルのパートナーたちの一部が今後、クラフト・ハインツの売り出し株の30%近くを取得する予定だという。
業績は低迷
クラフト・ハインツは8月8日に行った2019年上半期の決算発表で、利益が前年同期を大幅に下回ったことを明らかにした。売上高も減少したほか、約12億ドルの評価損を計上した。
この発表を受け、クラフト・ハインツの株価は同日、前日比で一時16%下落。過去最安値を記録した。同社の株価は45ドルに近かった年初の水準から30ドル以下にまで下落しており、年初比およそ32%の値下がりとなっている。ブルームバーグが追跡しているアナリストらの投資判断は、「買い」としている人が2人、「中立」が14人、「売り」が5人だ。
クラフト・ハインツのミゲル・パトリシオ最高経営責任者(CEO)は上半期の決算発表で、今期に経験したレベルの減益は、容認可能なものではないと発言。今後の「事業の方向性を変える」ために、取り組むべき課題が山積していることを認めた。
バフェットは現状維持?
バークシャー・ハサウェイは、クラフト・ハインツ株のおよそ27%を保有している。株価は今年に入って以降、低迷しているものの、バフェットは保有率を維持しており、買い増しも売却もしていない。
株価急落のニュースとクラフト・ハインツ株への信頼感の明らかな喪失を受けて、バフェットもまた、同様にバーシャーの持分の一部を売却するのだろうか?バークシャーはクラフト・ハインツへの投資によって今年、8月初めの時点ですでに50億ドル以上の損失を出している。