ビジネス

2019.09.18

MBOを実行し、再び独立──創業4年目のスタートアップが下した、決断の舞台裏

GENEROSITY代表取締役CEOの⻄垣雄太


「今まではイベントの来場者数や物販の購買数、サンプリングの配布数がKPI(重要業績評価指標)とされてきました。今はSNSが浸透したことで、どれだけSNSで投稿・拡散が狙えるのかといったことが求められるようになっている。デジタルとリアルを切り離さず、立体的にプロモーション設計することが必要になっています」(西垣)

創業して間もない頃は「#SnSnapシリーズ」を、さまざまなクライアントに提案するだけ。いわゆるサービスの領域だけしかやってこなかったという。

サービス領域から、ソリューション領域へ

しかし、時代は変わった。

「KPIがSNSでの拡散になってきたこともあり、SNSで話題になるような世界観のクリエイティブの企画、キャスティングの相談が増えてきたんです。クライアントから『プロモーションの上流から関わってほしい』と言われるようになりました」(西垣)

こうしたニーズの変化に伴い、2018年9月に社名をサービス名と同じだった「SnSnap」から「GENEROSITY」に変更。同時にCIも一新。

「DESIGNING A NEW BRAND LOVE」を掲げ、「ブランドを愛したくなる体験」を手がけるエクスペリエンスエージェンシーへと成長を遂げた。これまでにオメガなどのハイブランドのイベントを筆頭に、ファッション、ビューティ、エンターテインメント、スポーツなどの幅広いブランドへサービスを提供。案件実績は1000件を超えているという。

「資金を投入して量産したプロダクトを売るだけではダメ。プロモーションの上流に入り、クライアントのニーズに合わせてソリューションを提供する。この2軸で事業を成長させていけば、GENEROSITYがさらに成長できると確信が持てました」(西垣)

その結果、今回MBOを実行し、成長スピードを加速させるため、経営のオーナーシップを戻すことにしたとのこと。

今後、GENEROSITYはさらなるスピード感をもった積極的な新規事業展開に加え、ストックオプション制度の活用など積極的な資本政策も実施していく予定だという。

文=新國翔大 写真=GENEROSITY提供

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