「美しくいたい」願望が健康増進に役立つ 高齢者と美容のいま

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また美容では、コンシーラーなどシミや肌のくすみを隠すものから、白くみせたり、キラキラするパウダーなども、扱いやすいパッケージや容器で登場してきている。化粧品の説明書きはまだまだ小さいが、メーカーではユニバーサル書体やらくらく書体といったご年配でも見やすい文字フォントでの表示や、力が弱くても開けやすい容器、落としても割れない容器などの開発も進んでいる。

高齢者の世代の人口が多く、貯蓄額も高いので、市場として狙われているのはもちろんなのだが、実は美容は、この世代の人たちの健康にも役立っているのだ。

歳を重ねてきた女性が心身ともに元気になる源泉は、実は美容である。歳をとったからこそ、少しでも若く見られたい、元気に見られたい、髪の毛がふさふさしているように見られたい、血色がよく見られたい。こういう感情は、健康な体を維持することで成り立つので、これからますます美容のニーズが高まるのだ。

美しい以上に健康でないと社会は困ってしまうのだ。病気で通院する人が増えすぎれば社会保障や医療制度では対応しきれない現実がある。

そこを美容というカテゴリーからも十分サポートできる。美容の役割が、美しさ以上に健康増進で役立つ時代になった。美しいお年寄り同士の出会いマッチングのイベントもあり、ケアホームや病院だけではなく市役所や町の掲示板にも、フラダンス教室とか茶話会とか健康体操とか、コミュニテイづくりの呼びかけも増えた。

もちろん同性異性問わず新しい出会いもあり、70歳をすぎても女性はおしゃれに関心を持つ時代であり、美容というものは欠かせないが、それがひいては高齢者の方々の健康にも直結する時代なのだ。

連載:オトコが語る美容の世界
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文=朝吹大

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