ビジネス

2019.09.20

WeWorkと自治体での世界初の挑戦。神戸市が2拠点で抱く「思惑」とは

8月30日、WeWork丸の内北口で行われた記者発表


これが実現できたのは、神戸市とWeWork、両者の思惑が一致したからだ。

神戸市は、エコシステムを構築するうえで、前述の3タイプ(スタートアップ、大企業の新規事業開発、外資系企業)が融合していく基盤としてWeWorkに注目した。一方のWeWorkは、入居した多様性に富んだメンバーの間でのコミュニティをつくって、イノベーションを生み出す拠点にしたいと考えていた。つまり、両者が呼び込みたいターゲットは同じだったのだ。

東京と神戸でネットワークを活用へ

三宮のプログラムの発表と同時に、神戸市は、東京のWeWork丸の内北口内に「神戸市丸の内北口オフィス」を開設。10月1日からそこに、民間企業で活躍したマーケティングとセールスのスペシャリスト2名を、市職員として配置する。東京でのネットワークづくりや神戸への企業進出を加速させることが狙いだ。

9月12日には、同オフィス開設を記念したネットワーキングイベントが開催され、神戸出身者だけでなく、500 KOBEに参加したスタートアップ企業や神戸に注目するメディア関係者、さらにWeWork丸の内北口のメンバーなど、約100人が集まった。


神戸市丸の内北口オフィス開設記念イベント(9月12日)

すでにつながりのある「同窓会」に、WeWorkのメンバーが新たに参加したことで、新たなコミュニティが生まれる予感さえした。翌13日には、国内にある全てのWeWorkで、神戸でつくられた日本酒「灘の生一本」が味わえるイベントも開かれた。

WeWorkが持つ首都圏でのイノベーティブなネットワークにつながる、神戸の新たなコニュニティのハブ。これが地方都市におけるイノベーションの起爆剤になるのを期待したい。

連載:地方発イノベーションの秘訣
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文=多名部重則

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