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アメリカでは、オピオイド危機(鎮痛薬オピオイドの依存症になる人が多いという問題)が、再び注目を浴びている。というのも、オクラホマ州地方裁判所が2019年8月末、製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンに対して、オピオイドが蔓延する一端を担ったとして5億7200万ドル(約619億円)の制裁金支払いを命じたためだ。

2018年、アメリカで薬物の過剰摂取により死亡した人の数は6万8000人以上に上る。このうち、死因に何らかの種類のオピオイドが絡んでいるのは4万7000人だ。

ただし、ヘロインや処方オピオイド、そしてフェンタニルなどの合成オピオイドが最も注目を浴びているとはいえ、覚せい剤の一種メタンフェタミンやコカインなど、ほかの薬物を原因とするケースでも、死亡者数は増えている。

米調査機関ランド研究所が新たに発表したリポートは、アメリカにおける違法薬物の使用者数と、彼らの薬物への支出額を浮き彫りにしている。

このリポートによれば、アメリカでは、2016年1年間だけをとっても、コカイン、ヘロイン、大麻、メタンフェタミンの購入に費やされた金額が推定で1460億ドル(約15兆7945億円)に上った。

それら4種の薬物のうち、最も支出額が多かったのは違法大麻で、その額は520億ドルだ。違法大麻の市場規模は、おおよそコカインとメタンフェタミンの市場を併せたほどだとランド研究所は指摘する。

2番目に支出額が多かったのはヘロインで、430億ドル。その後、メタンフェタミンの270億ドル、コカインの240億ドルが続く。

コカインの消費量は2006年から2010年にかけて激減したが、2015年に減少ペースにブレーキがかかり始めた。2006年には純正コカイン消費量は384トンで、その額は推定580億ドルだったが、2015年には消費量108トン、金額にして240億ドルまで減少。ところが、2016年には推定消費量が再び上向き、145トンまで増えた。ただし、支出額は240億ドルと変わっていない。

一方、ヘロインは2010年から2016年にかけて消費量が10%増加。大麻使用者数もほぼ30%増えた。同時期、違法大麻への支出額は、推定で24%増えた。金額は、420億ドルから520億ドルに拡大している。

違法薬物の推定小売購入額(単位:億ドル)

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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