米国の新卒者に最適な職場ランキング 今年はリンクトインが躍進

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ジェネレーションZは今、労働市場を席巻しており、この世代を雇おうとする雇用主たちは、かつて有効だった採用戦略がもはや通用しないことに気付き始めている。給与の高さはこの世代でも最重要とされているが、今の新卒者らはさらに、組織が自ら掲げる理念を真の意味で体現している職場で働きたいとも考えている。そして企業の中には、これら両方を提供するところもある。

フォーブスは市場調査会社スタティスタ(Statista)と共同で、新卒で入社した人々から最も高評価を得ている企業を特定し、「米国の新卒者にとって最高の就職先」ランキングを作成した。作成に当たっては、従業員数1000人以上の米国の企業・組織で勤続10年未満の1万人を対象にアンケート調査を実施した。

今年は1位が「米国で最高の就職先」ランキングでもトップとなったトレーダー・ジョーズ、昨年首位のアドビ・システムズが3位に入るなど、上位を馴染みの面々が占めた一方で、ビジネス向け交流サイト(SNS)大手のリンクトインが昨年より順位を9つ上げて2位に入った。

カリフォルニア州サニーベールに本社を置く同社は、大手IT企業に期待されるような福利厚生の多くを提供している。だが、クリスティーナ・ホール最高人材活用責任者(CPO)いわく、世界各国に32のオフィスを構える同社が毎年、一流の新卒者たちを引き付けているのは、社内に備え付けのカフェやフィットネスセンターではなく、同社がその中核的価値観を体現しているからだという。

「私たちのミッションは、世界中のプロフェッショナルをサポートすること。そのミッションの基礎となるのが、私たちの文化です」とホールは語る。「私たちは、キャリアのどの位置にいようとも誰もが自分の居場所を感じられるような職場環境作りに深くコミットしています」

さまざまな従業員を受け入れる文化を育むというリンクトインの取り組みは、採用戦略から始まる。大学キャンパスでの従来型活動に加え、Grace HopperやAnitaB.orgといった女性向けコンピューターサイエンスプログラムなどの組織とも協力。また、同社にとって重要な人材発掘方法となっているインターンシップでは、ビジネス、クリエイティブ、テクニカルの3つのプログラムを用意し、学生たちに学習・開発のワークショップや幹部による講演、そしてメンターシップの機会を与えている。
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編集=遠藤宗生

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