元新聞記者のダイバーシティ・レポート


こうした選抜を目の当たりにして、親は他の家庭と比べる気持ちが強くなり、競争心を刺激されてしまいます。一方で子どもは、小1で環境の変化に直面しますが、まだそこまで競争心はありません。小3ぐらいになると、集団の中での自分の位置を意識し始めます。そんなとき、親は学校の評価に左右されず、「子どもが前より向上した、向上するために努力した」部分を認めてあげましょう。

結果にこだわりすぎるのは、子どもの全体を見ていない

──プロに頼んで課題をクリアするという話も聞きますが。

最近は、学校の運動会に備えて、かけっこ教室がにぎわっています。鉄棒のコーチをつける親もいますよ。「小学校は競争する場だから、勝ちたい」と、こういうことが盛んな地域があるんです。特に運動の分野は、順位を発表され、苦手な子にとっては苦痛だからです。

でも結果にこだわりすぎるのは、子どもの全体を見ていないということです。鉄棒やかけっこだけに目が行ってしまい、子どもは様々な段階を経て成長していくということを、見落としてしまっているのではないでしょうか。

そうやって親が用意していると、すべて受け身になる「小さな王子様」タイプの子が増えます。言われないとやらず、探究心がない。失敗する前に全て準備され、予行練習してクリアできてしまいます。自立心が芽生える年齢になると、反抗するか、そのまま親の敷いたレールに乗っていくかに分かれますが……。いまや大学受験の予備校も、手取り足取り型が人気です。

小学校の評価は気にしないこと

──中学受験の際に、小学校の成績や生活の様子をまとめた「内申点」が重視される学校もあります。

中学受験に影響するほど内申点を低くされる、という心配はしなくて大丈夫でしょう。まれに先生が中学受験に反対しているとか、お子さんに何かの問題があるとかで低くなるケースもあります。でも一般的には、内申点は平均より少し良い程度であればいいと思います。

低学年の場合、一番大事なのは、いわゆる「読み・書き・そろばん」。気にすべきは、テストや小テストの点数を中心に表れる部分です。「正しく計算することができる」といった項目を見てください。

基本的に、小学校の評価は気にしないことです。親は過剰に反応せず、参考程度に考えるのがいいですね。


西村則康◎プロ家庭教師集団「名門指導会」代表・塾ソムリエ。40年以上、難関中学・高校受験指導一筋の家庭教師。開成中、麻布中、桜蔭中、女子学院中、灘中などの最難関校に2500人以上を合格させた実績を持つ。また、親子のコミュニケーションや家庭環境が学習に与える影響についての提言を続けている。著者に「中学受験は親が9割」シリーズ(青春出版社)、「中学受験基本のキ!」(日経BP社)など。

連載:元新聞記者のダイバーシティ・レポート
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文=なかのかおり 写真提供=西村則康

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