フォーブス ジャパン編集部 エディター

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年々、高齢化が進み、今や“超高齢社会”に突入している日本。中小企業庁の調査によれば、今後10年間で70歳(平均引退年齢)を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人に増える、という。それに伴い、危惧されているのが「後継者」だ。245万人のうち、約半数の127万(日本企業全体の約3割)が後継者未定の状態にある。

その結果、中小企業の廃業が急増し、2025年頃までの10年間累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性がある、とまで言われている。これは「2025年問題」と言われ、いま社会的な問題となっている。

こうした問題を解決するのは、もしかしたら「会社員」かもしれない。

2019年9月17日、小規模M&Aに特化したプラットフォーム「M&Aナビ」を運営する株式会社ALIVALは、買主登録者を対象にした「個人による小規模M&A」に関するアンケート調査の結果を発表した。その結果を見ると、会社を買収する意向がある人の約42%は、経営者を経験したことがない会社員だった、という。今回のアンケートの要約はつぎの通りだ。

・買収意向がある人のうち約42%は、経営者を経験したことがない会社員
・会社買収で重視しているポイントは「業種」「金額」「地域」
・買収予算は1,000万未満が約65%。「数百万で企業を買う」ニーズが高い
・買収業種はやはり、「小売・サービス業」が人気
・買収意向は強いものの、国からの支援制度を知らない人が約75%

会社員から経営者への転身が現実的に

株式会社ALIVAL代表取締役の小池敏弘によれば、「M&Aナビに登録する買収希望者はもともと法人代表者が多かったが、最近では個人の方の登録が急増している」と言うが、会社の買収を意向する個人は役員ではない会社員が全体の42%を占める結果になった。


M&Aナビ提供

会社員はなぜ、会社の買収に興味を持つのか──その理由として最も多かったのが「経営者になりたいから」だという。これまで、経営者になる方法といえば、ゼロから起業するか、サラリーマンとして昇進を続けて会社のトップになるか、その2つがメインだった。

しかし、ここ数年で個人による小規模M&Aが増えてきたことで、「会社を買収してオーナーとして経営する」という新たな選択肢も生まれてきている。

「一般的に、企業が企業を買収する場合、事業の多角化や事業シナジー、あるいはグループ売上高を大きくすることが目的になりますが、個人の場合は、そういうことはあまり関係なく、純粋に経営者になりたいという気持ちが高いのが特徴です」と小池は語る。

実際、M&Aナビを使って会社を買収し、会社員から経営者になった人に話を聞くと「多少苦労をしても、自分の裁量で働ける方がいいと思った」と理由を語ってくれた。


M&Aナビ提供

この人に限らず、買収意向がある人たちは、現状の仕事に対して「ネガティブに考えていない」方がほとんどだったそうで、“会社の買収”が今の仕事を自らの努力で良いものに変えていけると思っていながらも、それ以上の「何か」をつかみたい人たちの新たな選択肢になってきているという。

そのほか、会社を買収する理由として「純投資したいから」「会社が安く買えると聞いたから」と回答した人も約3割ずついたとのこと。この結果からも新たな投資の手段として、小規模の会社買収ニーズが高まっていることがわかる。

1000万円以内の予算が全体の約65%を占める


M&Aナビ提供

文=新國翔大

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