先進事例に学ぶ広告コミュニケーションのいま

動画よりスクリーンショット

南仏カンヌで毎年行われている世界最高峰の広告およびマーケティング・コミュニケーションの祭典「カンヌライオンズ」。過去18回も現地を訪れ、審査員まで務めた筆者が、広告やキャンペーンの実例を紐解きながら、最先端コミュニケーションについて解説していくシリーズの第1回目をお届けする。

今回は、2019年6月に開催されたカンヌライオンズから、話題作をピックアップ。「メディアではないものをメディア化した」ことにより、メッセージを伝えることに最大の効果を挙げた最新事例を紹介しよう。

大人気ゲーム「フォートナイトの世界」に入り込め! 



取り上げるのは、ハンバーガーチェーンWendy’sによる「Keeping Fortnite Fresh(フォートナイトを新鮮に保て!)」だ。カンヌでは、ソーシャル&インフルエンサー部門ブランプリを始め、多くの賞を受賞した。

「フォートナイト」は、バトル系のオンラインゲーム。世界中で約2億人がプレイしているとも言われ、アメリカやヨーロッパでは、社会現象も起こしたほどのメガタイトルだ。この人気ゲームの世界に、Wendy’sは目をつけた。

Wendy’sのモットーは、「冷凍肉は一切使わない」こと。それを伝えるため、Wendy’sはこの圧倒的人気ゲーム“内”で、ある行動に出た。

自社のキャラクターと同じ“赤毛でおさげ”のアバターを使って、ゲーム内にもぐりこみ、ハンバーガーショップの“冷凍庫”を片っ端から破壊したのだ。752台も冷凍庫を壊しまくったことが、プレイヤーの間で面白いと人気になり、大きな話題を呼んだ。


冷凍庫を破壊するシーン (動画よりスクリーンショット)

Wendy’sがバーガーショップの冷凍庫を壊すことで伝えたかったのは、「ハンバーガーには冷凍肉を使うべきではない、我々は使っていない」ということ。そのメッセージを、いわゆるメディアではなく、既存の大人気ゲーム内での行動によって伝えたのだ。

文=佐藤達郎

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