Voyage の31歳の共同創業者でCEOのオリバー・キャメロンは、かつてフォーブスの「30アンダー30」に選出されていた。今回のシリーズBラウンドは資産運用会社のフランクリン・テンプルトンが主導し、コースラベンチャーズやジャガーランドローバー、シェブロンのテック投資部門も参加した。
パロアルトに本拠を置くVoyageは、2017年にオンライン大学のUdacityから生まれた企業で、累計資金調達額は5200万ドルに達した。アルファベットのウェイモや、GM傘下のクルーズらの調達額と比べればわずかな額だが、Voyageは低速度で走る自動運転車両を、既に約2年もの間、高齢者コミュニティに提供してきた実績を持つ。
Voyageはサンホセやフロリダの高齢者コミュニティThe Villagesでオペレーションを実施中だ。「この市場はニッチではあるが、現状の自動運転テクノロジーにうまく合致するものだ」とキャメロンは話す。
「時速25マイルで走る自動運転車は、高齢者コミュニティの移動ツールとしてうまく機能する。今あるテクノロジーで解決可能な課題を考えた結果、この市場がふさわしいと思った」
自動運転のロボットタクシーの広範囲な商用化は、当初考えられていたよりも多くの課題に直面しており、この分野の企業は直近の収益機会を探っている。ウェイモはフェニックス郊外でロボットタクシーを運行中だが、その規模はかなり限定的なものだ。TuSimpleやEmbarkらは、物流トラックに自動運転を導入しようとしている。
一方でNuroやPostmatesらは、フードデリバリー用のロボットに自動運転を導入している。
特定エリア内の移動ツール
そんな中、Voyageは全米各地の高齢者コミュニティが、現状の自動運転テクノロジーに最適な場所であると考えている。エリア内の交通環境はコントロールされ、車両のスピードも低速に制限されている。自身で車が運転できない居住者たちに、Voyageは理想的な移動ツールを提供する。