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2019.09.15 19:00

地上最強の860ボルトで痺れさせる「デンキウナギ」が発見

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デンキウナギは今から約250年前に、スウェーデンの博物学者カール・リンネによって発見された。これは電球が発明されるよりも以前のことで、デンキウナギの発見が電気に関わる研究に貢献したとも言える。

そして今になってブラジルの研究者が、従来のデンキウナギよりも強力な電圧を発生する2種の新たなデンキウナギを発見した。しかし、ここではまず、デンキウナギに関して解説しておきたい。

デンキウナギとは?

実はウナギではない。ナギナタナマズ科に属するナイフフィッシュとされ、ウナギよりもナマズやコイに近い。しかし、腹びれと背びれがないため、見た目がウナギに似ているのだ。

ほかに電気魚はいるのか?

いる。モルミルスという淡水魚は弱い電気をレーダーとして用いることで知られている。しかし、モルミルスの発電力はデンキウナギに比べるとかなり微弱だ。他にも、熱帯アフリカに生息するデンキナマズや、強力な放電力で知られるシビレエイもいる。

なぜデンキウナギは強力な発電力を持っているのか?

デンキウナギはモルミルスと同様に電流で周辺を探って獲物を探す。だが、デンキウナギは獲物を痺れさせるために、より高電圧な電気ショックを引き起こす能力を持っている。

9月10日、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表された論文で、アマゾンで新たに2種類のデンキウナギが見つかったことが報告された。そのうち、「エレクトロフォラス・ボルタイ」と呼ばれる種は、地上最強の860ボルトを発するという。

「地球上で最も生物学的多様性に富んだアマゾニアで、デンキウナギの新種が発見されたことは、この地域にはまだ知られていない種が他にも存在していることを示している」と論文の筆頭著者のカルロス・ダビド・デ・サンタナ博士は述べた。

「アマゾンの保護の必要性は、医学やバイオテクノロジーの観点からも、さらに高まったと言える」

デンキウナギの発電器官が生成する酵素を、アルツハイマー病の治療や、体内埋め込み用のバッテリーなどに活用するための研究も進んでいるという。

編集=上田裕資

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