リビアンは既にフォードやアマゾンから出資を受けているが、新たに自動車関連サービス企業の「コックス・オートモーティブ(Cox Automotive)」から3億5000万ドル(約377億円)を調達した。
36歳のCEOのRJ Scaringeが創業したリビアンは昨年11月のロサンゼルスモーターショーで、世界初の完全電動のピックアップトラックであるR1T Truckや、7人乗りの電動SUV車両のR1Sなどを発表した。
アマゾンは今年2月、リビアンの7億ドルの資金調達を主導し、フォードは4月に5億ドルを出資していた。
コックス・オートモーティブは、自動車の販売やメンテナンスに関わる様々な事業を展開しており、自動車情報サイトの「Kelley Blue Book」や「Autotrader」を運営している。また、自動車オークションのManheimも主催しているため、リビアンがサービス拠点や販売拠点を広げる上でのシナジー効果が見込めそうだ。
「コックスはグローバルで存在感を誇る企業であり、サービス拠点やロジスティクス能力から考えて、当社の理想的なパートナーと言える」とリビアンのScaringeは述べた。
クラーク・ケント似のルックスのScaringeは、マサチューセッツ工科大学(MIT)でメカニカルエンジニアリングのPhDを取得し、過去10年に渡りEVの開発を進めてきた。
リビアンはかつて三菱自動車が組立を行っていたイリノイ州の工場を、2017年に買収しており、2020年末までに初期の2モデルの製造及び販売を開始する計画だ。同社は既に1000人以上を雇用しており、2021年からEVのグローバル販売を開始すると述べている。
同社のピックアップトラック「R1T」と、SUV車両の「R1S」は、テスラを上回る大容量のバッテリーを搭載し、1充電で最大400マイル(約644キロメール)の走行が可能という。また価格はそれぞれ、6万8000ドルと7万2500ドルとなっている。
コックスからの資金を得たリビアンの累計資金調達額は、約20億ドルに達した。同社は評価額については開示しておらず、Scaringeの株式の持ち分についても明かしてない。
リビアンはフォードとアマゾンから資金を調達する以前に、サウジアラビアの投資グループのAbdul Latif Jameelや、日本の住友商事、ロンドンのスタンダードチャータード銀行らから4億5000万ドルを調達していた。