同社は最大4600万株を売り出し、約13億ドル(約1400億円)の調達を見込んでいる。上場後のペロトンの企業価値は想定価格の上限で、80億ドルに達することになる。同社は前回の資金調達時に40億ドルの評価を得ていた。
コンシュマーテック分野では今年4月、ビデオ会議サービスを手がける「Zoom」がナスダック市場に上場し、創業者のEric Yuanはビリオネアの仲間入りを果たした。しかし、ペロトンの創業メンバーらは、IPO価格を大幅に引き上げるか、上場後の株価が急騰しない限り、保有資産が10億ドルを超えることは難しい。
テック分野のIPOはここ最近、冴えない状況が続いている。ウーバーやリフトの時価総額は大幅に下落しており、今年6月に上場したラグジュアリーブランドのリセールECサイトTHE REALREALの株価も、売り出し価格を下回っている。
コワーキングのWeWorkも上場予定だが、市況の悪化で売り出し価格の引き下げを検討中と報じられている。
2012年創業のペロトンは、ストリーミングやオンデマンドのレッスンとの組み合わせで、フィットネスマシンを販売し、カルト的人気を誇る存在となった。
同社の共同創業者でCEOのJohn Foleyは、大手書店バーンズアンドノーブルのEコマース部門を率いた後、ペロトンを創業した。Foleyの株式の持ち分は6%をやや上回る程度だ。
ペロトンは創業当初、資金調達に苦戦したが、2014年にタイガーグローバルの主導でシリーズB資金調達を実施した。同社の株主構成は、最大の株主で約20%を保有するタイガーグローバルと、True Ventures(12%)、Fidelity Investments(6.8%)らとなっている。
ブルームバーグによるとペロトンは9月11日に機関投資家への説明会を実施するという。同社の2019年度(2018年7月〜2019年6月)の売上は9億1500万ドル(約968億円)だった。しかし、プロモーション費用の高まりにより、損失も前年度の4790万ドルから1億9560万ドルに膨らんでいた。
ペロトンの売上の大半は約2250ドルのフィットネスバイクや、約4300ドルのトレッドミルからもたらされ、昨年の総売上の75%以上を占めていた。