そもそもなぜ、フィルターが発達するのか。人類は生き残るために、脳のシミュレーション機能を発達させてきました。チーターが狩りで成功する確率は、実は7パーセントしかありません。それでも毎日狩りができるのは、彼らは狩りに行く前からわざわざ「失敗したらどうしよう」などとシミュレーションしないからです。
フィルターは、このシュミレーション機能によって繰り返される恐怖や怒りによって歪んでいくのです。この歪みは、本人にとって強烈なリアリティになります。やがて、このリアリティが偏った考えや価値観を作り上げ、他人に対する強いジャッジメンタルな視点を生み出すのです。
これらの大元にあるのは、ストレスへの無自覚さです。慢性的なストレスがあるなら、休養やリフレッシュが必要でしょう。ただ、日常にあるストレスから逃れるのは困難です。
だからこそ、とっさの怒りや恐怖を感じたときほど、たった90秒間の深呼吸をしましょう。そして冷静になったときに、何が怖いのか、何が悲しいのかを自覚して、素直にアウトプットしてみると、お互いの理解の幅も広がるでしょう。
連載:ポストAI時代のワークスタイル
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