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他の領域を持つことのメリット

そんな植野に、質疑応答の際、来場者から「何でも屋であるということで、ひとつの仕事に特化している人に対してのコンプレックスはありませんか?」との問いが投げかけられた。

植野は「あります」ときっぱりと答える。「あるけれど、それぞれの仕事に対する熱意やパッションは負けないつもりでやっています。昔から順位を付けられるのが嫌いなので、争いも好きじゃない。ひとつの領域だけだと、その中でどうしても比較されてしまうけれど、他の領域をいくつも持っておくことで、自分の中での言い訳にも使えます。“だって私は他のこともやってるもん”みたいなね」

世界各地でトップクリエイターたちと仕事をしている一方で、もしうまくいかない場合は「“複業”を自分自身の言い訳にする」と正直に語る。この等身大な発言が、植野が人々を惹きつける植野の魅力のひとつだろう。

植野は、積極的に退路を作り、慎重にリスク管理をしながらも、楽しみながら挑戦を続ける。これこそ、これからの時代に大切な、生き方や働き方の「新しいスタンダード」ではないだろうか。



トークセッションの後に行われたワークショップが興味深いものだった。植野は、毎年1月1日に、「手帳にYESかNOで答えられる目標を書く」という。その習慣を、植野は会場に集まった人たちと共有する。本人も参加して、「今後10年以内に達成したい10のこと」をその場で書いてもらったのだ。植野本人も参加した。

植野自身は「結婚する」「35歳までに子どもを産む」「動画メディアを作る」「家を買う」「アメリカのVISAを更新」「ママとヨーロッパに行く」など具体的な目標を記入。

参加者からは「年末年始は家族でスキーに行く」「妻とクルーズ旅行へ行く」「2019年中にニューヨークへ一人旅行」などプライベートの目標から、「出身大学の講師になる」「アフリカで起業する」「ノマドライフを送る」といったビジネスや生き方に関する目標が挙がった。

植野によれば、目標を書くときのポイントは「『痩せる』と書くのではなくて、『○kgになる』と具体的に、そしてYESかNOで答えられる目標にすること」だという。そして、たまに見返し、達成したものがあれば達成日を書き足して消していく。

自分のやりたいことを考える時間は、結果的に自分と向き合う時間でもある。多忙な日々を送っている人こそ、YES or NOで答えられる具体的目標を考えてみることで、植野のように、他の選択肢を意識しながら新たな道を模索することができるのかもしれない。

文=Forbes JAPAN編集部、写真=福嶋賢人

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