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(Walmart / GettyImages)

関税は、一般消費者を傷つける税金だ。これは特に、ドナルド・トランプ大統領が中国からの輸入品に課した関税について言えることだ。

エスカレートの一途をたどる中国製品への関税により、米国の消費者に対する負担は増えている。新たに発表された米国政策財団(NFAP)の報告書によれば、「現在課されている関税と、2019年末までに導入される関税を考慮すると、消費者に対する関税のコストは年間で2592億ドル(約28兆円)になる。平均的な家庭では年間2031ドル(約22万円)の負担となり、関税が課されている限りこれが繰り返される」という。

この負担はさらにつり上がるかもしれない。同報告書の著者であるサフォーク大学で経済学を教え、シンクタンク「ビーコンヒル研究所」で所長を務めるデービッド・ターク教授と、同研究所のウィリアム・バーク研究部長は、「トランプ政権が宣言している関税が全て発動されれば、現在の関税と合わせて米消費者の年間負担は4611億ドル(約49兆7000億円)となり、平均的な家庭の追加負担は3614ドル(約39万円)になる」と結論している。

では、この年間3614ドルの負担の内訳はどうなっているのだろう? 同報告書には次のようにある。

「この数字には、中国からの輸入品のうち残る2720億ドル(約29兆3000億円)分に対する関税を30%に上げる計画(消費者の年間負担は506億ドル、典型的な米家庭の負担は396ドル増える)と、全ての自動車や自動車部品に対する25%の関税の可能性(消費者の年間負担が1513億ドル、典型的な米家庭の負担が1186ドル増える)が含まれる」

これにより、靴や携帯電話、子ども服など多くの製品の値段が上がる。中国からの輸入品に対する15%の関税は9月1日に発動しており、12月15日には追加の製品に15%の関税が課される予定だ。対象となるのは総額2720億ドル分の中国製品だ。さらに、トランプは中国と貿易協定に合意できなければ、この2720億ドル分に対する関税を30%に増やすと述べている。

関税は税金であり事業規制の一形態であるため、こうした関税は、自らの税政策と規制緩和策が米経済を後押ししているというトランプ政権の主張を覆すものだ。NFAPは報告書で「トランプ政権下で課された関税による完全な損失は、2019年12月31日までに総額321億ドル(約3兆5000億円)に達するだろう。これは、米行政管理予算局(OMB)が規制緩和による削減額としてこれまでに特定している465億ドル(約5兆円)の大半を相殺するものだ」と述べている。

編集=遠藤宗生

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