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weerapat/ Bigstock.com



 サイバーセキュリティの市場は、他人の災難から利益を得るという点で、うさん臭く思われることも度々だ。昨年のソニー・ピクチャーズのハッキング騒動は、世界中のシステム運用者に恐怖を抱かせ、その結果、セキュリティ企業の利益は拡大した。

 現在、この分野で急成長を遂げているDarktrace社もその恩恵に預かった企業の一つだ。サイバーセキュリティ分野のスタートアップとして知られる同社は、複雑なベイズ理論を用い、人間の免疫システムにも似た独自のテクノロジーで躍進を遂げている。

 英ケンブリッジ発祥の同社が企業向けに、イミューンシステムの販売を開始したのはわずか一年前のこと。この間に従業員は3倍に増え、現在は70名が勤務する。現状で75社の企業に製品を提供する同社は今年の6月には黒字化する見込みという。

 3月18日にDarktrace社の驚くべき増資の詳細が公表された。同社は1,800万ドルのシリーズAラウンド投資をロンドンのInvoke Capitalから獲得した。Invoke Capital社はマイク・リンチ氏が設立したベンチャー・キャピタル。リンチ氏はテクノロジー企業Autonomy社の設立者としても知られている。今回の増資によりDarktrace社の時価は推定8,000万ドルとなった。

「Darktrace社は欧州で最も成長著しいサイバーセキュリティ企業である」。同じタイミングで増資に加わったHoxton Capital社のパートナー、フセイン・カンジ氏はそう述べている。カンジ氏によれば、Darktrace社のクライアント企業1社あたりの支払額は月額5千ドルから数十万ドルとのこと。競合するイスラエルのセキュリティ企業FireEye社よりも早く成長しているという。

 このところのDarktrace社の堅調な業績は、リンチ氏が初期に投じたシード資金に負うところが大きい。また、リンチ氏の実践的なマネージメントも経営に貢献したと言えるだろう。

 リンチ氏の投資手法は独特だ。2013年から約10億ドルの資金を集めた彼は、そのほとんどを実際にはベンチャー企業への投資に使わず、ほんのわずかな金額を限られた数社にシード資金として手渡した。そのシードを手にした企業の一つがDarktrace社だったのだ。

 残りの資金は経営危機に瀕した、ゾンビ企業の買収に投じられる。買収された企業はリンチ氏が経営権を握る別のテクノロジー企業の技術を取り入れて、再生の道を歩むのだ。


「我々はゾンビ化したソフトウェア企業を買収し、基礎となる技術を別の会社と組み合わせ、ブランド価値を高めてから再度売りに出す戦略をとります。しかし、Darktrack社についてはその手順を踏むことはないでしょう。Darktrack社は独自の力で急成長しているのです」と、Invoke Capitalのバネッサ・コロマーは述べている。

 Darktrace社のセキュリティシステムは、企業のネットワーク内に独自の箱型コンポーネントを設置することにより作動する。この装置がネットワークの動きをモニターし、ケンブリッジ大学で開発された機械学習アルゴリズムにより、異常な動きを発見できるようになるのだ。

 他のセキュリティ会社の製品、Cisco社のSourcefireやLanceも、ネットワークの内部から攻撃を未然に防ごうとしているが、Darktrace社は機械学習という異なるアプローチで差をつけている。

「我が社の機械学習コンポーネントは全てのユーザーやマシンの動き、ネットワーク内の会話の隅々までモニターしています。そして、自動的にベイズ理論と連動しサイバー攻撃の確率をはじき出すのです」とDarktrace社のイーガンCEOは述べている。

文=パーミー・オルソン(Forbes)/ 編集=上田裕資

 

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