SamsaraCEOのBiswas Gettyimages

IoTソリューションで、製造業の効率化を行うスタートアップ「Samsara」の企業価値が63億ドル(約6800億円)に達し、30代の創業者2人がビリオネアの仲間入りを果たした。

Samsaraは先日、シリーズF資金調達を実施し、3億ドルの資金を調達した。同社の既存出資元にはアンドリーセン・ホロウィッツやゼネラル・カタリストらがいるが、新たな出資元としてタイガーグローバルやDragoneerらが加わった。

Samsaraの累計資金調達額は5億3000万ドルに達した。2人の共同創業者らは各自25%の株式を保有しており、保有資産はそれぞれ、14億ドルに達した。同社は企業向けにIoTデバイスを販売し、クラウド型のソフトウェアをサブスクリプション方式で提供している。同社の売上は昨年1億ドルに達し、前年度の3倍に成長したという。

Samsaraの顧客企業のチーズメーカー、「Cowgirl Creamery」はこのシステムをプロダクトの製造や輸送の管理に役立てている。配送トラックの位置をリアルタイムで把握し、温度管理も行っている。同社は1ユニットのハードを130ドルで販売し、ソフトウェの利用料として月額30ドルを徴収している。

CEOのBiswasは現在37歳、CTOのBicket は39歳だ。2人は2015年にSamsaraを創業した。MITでコンピュータサイエンスを学んだ2人は、マサチューセッツ州ケンブリッジのWi-Fi整備を手がけた後、エンタープライズ向けWi-Fi企業の「Meraki」を立ち上げ、2012年に12億ドルでシスコに売却した。

2人はハードとソフト、クラウドの組み合わせがIT業界に激変をもたらすことを実感した。しかし、Merakiのようなソリューションが製造業向けには存在しないことに気づいたという。

「運送業や建設業、製造業分野の企業はITの恩恵を十分に受けていないと考えた。そこで、この業界向けのIoTプラットフォームを設立しようと思った」とBiswasは話す。

新たな資金で2人は、センサーやカメラなどの製品ラインアップを拡充し、欧州やカナダ、メキシコなどでの展開を加速する。Samsaraのプロダクトは現在、10カ国の企業に利用されているが、今後はマーケティング費用も増強するという。

ゼネラル・カタリストの取締役で、Samsaraの役員に就任したHemant Tanejaは「Samsaraには巨大な成長ポテンシャルが潜んでいる。企業はより洗練されたソリューションを求めており、2人の創業者の今後には大いに期待できる」と話した。

編集=上田裕資

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