少子化から考える、老後「2000万円問題」

.


「男」の長男は35歳になった。最近では珍しく3人の子どもを養育している。長男によると、子だくさんになれるキモは三つあるそうだ。

まずは早く結婚すること。そうすれば子どもが独立する頃でも、自分たちは壮年期。まだまだ働ける。子どもを当てにしなくてもいい。

もうひとつは、社会人になったらすぐにライフプラン、とりわけ資産形成プランを立てて実行すること。「NISAやiDeCoなどの長期税制有利商品はもちろん、10年前から定時定額でETFを買っていますよ」。それで2000万円を蓄えるのかな、と尋ねると「足りません、1億円は必要です。もっとアグレッシブにいきます」。

そして三番目は「会社、職場のサポートです」。彼の会社は退職後も有利な健康保険を利用できるだけでなく、3人目の子どもには200万円のお祝い金が出るのだとか。「なにより自助が大切ですが、自助を支えてくれる勤務先が有り難いんです」。個人と職場の相互の自助、これが少子高齢化問題の解なのかもしれない。


川村雄介◎1953年、神奈川県生まれ。大和証券入社、2000年に長崎大学経済学部教授に。現在は大和総研特別理事、日本証券業協会特別顧問。また、南開大学客員教授、嵯峨美術大学客員教授、海外需要開拓支援機構の社外取締役などを兼務。

文=川村雄介

この記事は 「Forbes JAPAN リミッターを外せ!」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

タグ:

連載

川村雄介の飛耳長目

ForbesBrandVoice

人気記事