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2019.09.11

「大麻業界のスタバ」目指すビリオネアはクレディスイス出身

ElRoi / Shutterstock.com

ロシア版フォーブスの調査で、大麻業界初のビリオネアが誕生したことが明らかになった。「Curaleaf」の会長を務めるボリス・ジョーダンの保有資産が11億ドルに達した。

業界メディアCannabis Market Capによると、米マサチューセッツ本拠のCuraleafは、世界で6番目に企業価値の高いカンナビス関連企業だ。米国とカナダで上場する同社は、米国で最も時価総額が大きい大麻プロダクトの小売企業とされている。

ジョーダンはCuraleafの株式の31%を保有している。彼は1998年に設立したプライベートエクイティ企業「スプートニク・グループ」を通じ、欧州やロシアの企業向け投資も行っている。彼はまた、大麻業界への投資に特化したベンチャーキャピタル「Measure 8 Ventures」の創立者でもある。

Curaleafは米国の12州で48カ所の医療大麻販売所を運営し、「Crua」や「Grassroots」らの買収を通じ、嗜好大麻市場への参入にも意欲を燃やしている。

ジョーダンは昨年のメディアの取材で「大麻業界のスターバックスを目指す」と宣言していた。ただし、今後の法規制の変化によりCuraleafのビジネスが影響を受ける可能性はある。今年7月に、FDA(米国食品医薬品局)が大麻オイルCDBを販売する業者に対し、不確かな薬理作用を宣伝しないように警告したのを受け、Curaleafの株価は下落した。

ジョーダンはロシア人の先祖を持つ米国市民だ。母校のニューヨーク大学の管財人を務める彼は、1987年に大学を卒業後、証券会社のキダー・ピーボディに勤務した。その後、ソビエト連邦の崩壊後のロシアで、彼はクレディスイスの投資部門を率いた経歴を持つ。

ジョーダンはロシア最大の保険会社の1社であるRenaissance Insuranceの会長も務めている。

編集=上田裕資

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