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シリコンバレーの巨人は捜査機関の要請にどう対応するか?(Bloomicon / Shutterstock.com)

米国政府は今後、特定のアプリ利用者の個人情報の開示をテック大手企業に強制することになるかもしれない。

米政府はアップルとグーグルに対し、ライフル銃をコントロールするアプリをダウンロードした、少なくとも1万人の個人情報を提出するよう要請している。米政府がアプリユーザーの情報開示をテック大手に求めることは前代未聞だ。

司法省が9月5日に申請した裁判所命令によると、捜査当局はナイトビジョンメーカー「アメリカンテクノロジーネットワーク(ATN)」が開発した「Obsidian 4」というアプリをダウンロードしたユーザーの情報を求めている。このアプリにはアンドロイド版とiOS版があり、アンドロイド版は1万件以上ダウンロードされている。

銃の保有者は、このアプリを使ってスコープの調整が可能なほか、ライブ配信や動画撮影を行うことができる。

裁判所が政府の要請を認め、アップルとグーグルがそれに応じた場合、提出されるデータには犯罪とは無関係の多くの人々の情報が含まれることになる。プライバシーインターナショナルのEdin Omanovicは、無実の人の個人情報が大量に政府に引き渡される危険な先例を作ることになると指摘する。

「こうした命令は特定の疑惑に焦点を当てたものでなければならないが、今回はそうではない」とOmanovicは話している。

米国の「武器輸出規制」との関連

米国移民税関捜査局は、武器輸出規制に抵触する事案の情報を収集している。規制対象製品にはATN製スコープも含まれるが、ATN自体は捜査対象となっていない。捜査当局は、ATN製スコープが使用されている国を特定する目的で、Obsidian 4アプリのユーザー情報を必要としていると考えられる。

提出書類によると、ATN製スコープの輸出は国際兵器輸送規則で管理されており、移民税関捜査局はこれまでに何度も不正輸出を摘発しているという。これらの中には、必要なライセンスを取得してないカナダやオランダ、香港に輸出しようとしたケースが含まれるという。

編集=上田裕資

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