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クリエイティブなライフスタイルの「種」


僕らは1対100の法則と呼んでいるんですが、コミュニティ単体の規模や月額会費の売り上げだけで判断するのではなく、コミュニティ1によって生み出される、本業の100への影響力を見てほしいんです。コミット度の高い人たちの熱量を上げていくことで、本業の数字は必ず伸びますし、数字は作れます。

コミュニティを、短期的なビジネス視点で捉えると失敗しますが、長期的な視点で捉えていけば必ず大きなアセットになると腹を括って取り組むことが重要だと思います。

──今後、新しく考えている施策などはありますか?

直近で実現させたいことは、コミュニティ経済圏を作るということです。コミュニティ内でメンバーがアクションをした時にポイントが貯まるという機能は既に実装済みですが、そのポイントを交換することで仕事や物をシェアしたり、メンバー同士の価値の交換ができる文化を作れないかと。単純にお金儲けをするだけじゃない経済圏ですね。

例えば、コミュニティの中にヨガインストラクターさんがいてその人に習いたいと思ったら、溜まったポイントで「ヨガ教えてもらえませんか?」と依頼する、ポイントを受け取ったヨガインストラクターさんはそのポイントで、旅コンシェルジュをしているメンバーにプランニングを依頼するといったように、ポイントの交換でスキルや物品が流通していく。

これがもっと循環したらエキサイティングなのではないかと。これはコミュニティ内で既に信頼関係があり、安心・安全が担保されているからこそ成り立つことなので、コミュニティだからこそ実現できる新しい社会的な価値になると考えています。


オシロ代表の杉山博一氏

──これから、社会におけるコミュニティの役割はどうなっていくのでしょうか?

SNSが社会のインフラの役割を担うようになり、広く浅く人とつながるようになりましたが、オープンが故に自分をさらけ出すことがどんどん難しくなっています。一方で人々は以前より情報を入手しやすく、行動も起こしやすい世の中になったことで、自分の価値観をより強く持つようになりました。でもそれを安心して表現する場がなくなってきているので、価値観を共有できるクローズドな空間を求めはじめています。

変な言い方ですが、普段の生活の中では自分が“変人”だということを隠して生きなければならない(笑)。でも狭く深いコミュニティの中ではみんなが変人なので、自分をさらけ出すことができる。同じような趣味趣向の仲間がいっぱいいて本来の自分の居場所がある、それって幸せなことじゃないですか。

実際に上質なコミュニティによって感じる幸福感はフィットネスの3倍の効果とも言われていますし、ハーバード大学の研究でも、人間の「幸せ」の一番の要因は質の高いコミュニティに属していたかどうかである、という結果が出ているんですよ。

お金や名声ではなく、『良いコミュニティに属していたか』が重要だと。自分たちが心の底から心地よいと思える居場所がどんどん作られていけば、日本人の幸福度は上がると思います。

連載 : クリエイティブなライフスタイルの「種」
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杉山博一◎オシロ株式会社 代表取締役社長。世界一周を経てアーティスト活動に終止符を打ち、2006年日本初の金融サービス会社を2人で創業。その後ニュージーランドと東京の二拠点生活、シャトルロックジャパン株式会社の代表を経て、2017年「日本を芸術文化大国にする」というミッションを実現するべく、オシロ株式会社を設立。

文=国府田淳

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