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クリエイティブなライフスタイルの「種」


──多くのコミュニティ運営に携わって見えてきた、成功のポイントを教えてもらえますか?

コミュニティを活性化するポイントはたくさんあるのですが、大きく分けると以下の5つが挙げられます。

・はじめから人数を増やしすぎない。
・n対nのコミュニケーションをデザインする。
・運営しか投げられない球でビッグバンを起こす。
・運営が気づかない魅力でエンゲージを高める。
・コミュニティ1対本業100の法則を意識する。

──ではまず人数の話から教えてください。

たき火をイメージしてみてください。楽天大学学長の仲山進也さんがこう例えていたのですが、薪が1000本あるところにいっぺんに火をつけようと思っても、なかなかつきません。まずは一本の薪に確実に火をつけて火種を作り、それが数本、数十本、数百本となって燃え広がっていきます。つまり、最初は人数を絞った方がいいんです。

特に大きなプロジェクトですと、いきなり高いKPIを設定して、数を増やすことにフォーカスしがちです。結果的にコミュニティの熱量が上がらず、ところどころでくすぶったような状態になり、やがて下火になっていきます。まずはある程度のサイズ感で、確実にコミュニティに火入れをすることが大切です。

例えば『宇宙兄弟』の有料コミュニティ「コヤチュー部 オンライン部室」は、招待制から始まりました。ゆっくりと育てることで、熱量が高すぎず、低すぎず、コミュニティを醸成していこうとしています。

──n対nのコミュニケーションを円滑にする方法はありますか?

n対nなのだから運営側はノータッチでいい、という考えでは芽が出ません。ちゃんと水をあげないといけなくて。メンバー同士がコミュニケーションを取りやすくするように働きかけたり、後押しすることが必要です。ただ、水をやりすぎたら植物も腐ってしまうように、おせっかいすぎると育ちにくい。その塩梅が難しいというのはあります。

運営がやりすぎても、やらなさすぎてもダメ。コミュニティって生き物なので、やっぱり常に状態を見ながら育んでいく必要があります。コミュニティの性質によってもアプローチは変わるので一筋縄ではいかないのですが、オシロではなるべくテックに落とし込むようにしています。


左は自動車情報誌「ベストカー」のコミュニティのトップ画面。右はコミュニティを活性化させるバディー機能。

──どのようにテックに落とし込まれているんですか?

いくつかあるのですが、ユニークな機能としては「盛り上がり通知」と「バディ機能」があります。「盛り上がり通知」というのは、チャットが盛り上がっていて、その盛り上がりが一定の条件を満たすと、「盛り上がり通知」を全員に送る機能です。それによってさらに多くの人の参加を促し、コミュニケーションを最大化します。後から参加すれば良かった……と思う人をなるべくなくし、盛り上がりの瞬間に立ち会ってほしいのです。

「バディ機能」は新旧のコミュニティメンバーをうまく繋ぐもので、古い人に新しい人のバディをやってもらうようにお願いし、新しく入った人がすんなりコミュニティに溶け込めるようにする仕掛けです。

興味・関心の共通項が多い人同士をシステムがマッチングしますので、初めて会っても打ち解けやすいようにしています。これらの機能はコミュニティマネージャーが演出することもできますので、機能がなくても有効な施策なのでオススメです。古い人と新しい人が交われば、コミュニティの定着率は確実に上がります。

文=国府田淳

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