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2019.09.13

ESG投資に転向!紳士に成長した「投資の野蛮人」たち

ヘンリー・クラビス(左)とジョージ・ロバーツ(右)

米産業用機械メーカー「ガードナー・デンバー」は経営で苦しんでいた。主力製品の売り上げは落ち、株価は下落。経営陣は交代を余儀なくされ、やがて同社に買い手がついた。

だが事業縮小やリストラが囁かれるなか、新しい所有者は意外な道を選ぶ。3億2500万ドルを投じて工場の安全性を高め、製造工程を改善。新規事業も手掛け、社員も売り上げも増やしたのだ。

その所有者とは、ヘンリー・クラビス(75)とジョージ・ロバーツ(75)率いる、米投資会社「KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)」。彼らはかつて食品大手「RJRナビスコ」をレバレッジド・バイアウト(LBO)で買収し、その強引な手法から“野蛮人”のレッテルを貼られた。だがそれも過去のこと。クラビスは「20年前はESG(環境・社会・企業統治)投資を信じなかった」と認める。

「リターンをきちんと出すことが、出資者にとって最も大事だと思っていた。その意味では、私は“改宗者”と言えるかもしれないね」


ヘンリー・クラビス、ジョージ・ロバーツ◎米投資会社「KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)」の共同創業者。投資銀行ベアー・スターンズ(2008年に破綻)で二人の上司だったジェローム・コールバーグ・ジュニアと共にKKRを創業。レバレッジド・バイアウト(LBO)を駆使して数々の大企業を買収し、一躍有名になった。

文=アントワーヌ・ガラ 写真=佐々木 康

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