女性に偏りがちな乳がん治療 FDAが男性含めた臨床試験を推奨

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リッチーは次のように述べている。

「乳がんの慈善団体は長い間男性を無視し続けてきたし、研究者らは男性の乳がん患者を統計的に価値があるものとおそらく考えてこなかった。男性は現在、女性への研究結果を基に治療されている。これが男性にとって最善かどうかを知るためには、男性を試験に参加させることが必要だ。自分たちの参加が歓迎されていると男性が気づき、調査に参加することで、全ての男性が研究結果の利益を享受することができる」

FDAの文書は産業界に向けたもので、乳がんの試験に男性を含めることについての規定は含まれていない。そのため、新たな治療法を開発する企業がこの新たな指針に注目し、男性にも試験を開くかどうかは今後にならなければ分からない。

パズダーは「本日発行された指針の草稿が完成すれば、その推奨事項が男性の乳がんを治療するための薬剤開発を促し、最終的にはFDAの承認を受けた新たな治療の選択肢が患者に提供されることを望んでいる」と述べた。

リッチーは「BRCA遺伝子を持つ人にとっては特に意識向上活動が必要だ。そして私たちは、乳がんに関する全ての情報から性別の概念を排除する必要がある。診断が遅れることで予後が悪くなる。私たちは、切実に変化を必要としている」と語った。

翻訳・編集=出田静

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