ツイッターやフェイスブックなどのテック企業大手が関心を示したことにより、ビットコインの価格は今年に入り約200%もの上昇となった。しかし、ドーシーは今、「ビットコインの通貨としての実用性はまだ十分ではない」との警告を発している。ただし、彼の意見では、ビットコインはフェイスブックが立ち上げを計画中のデジタル通貨「リブラ」に比べれば、好ましい存在だという。
ドーシーはオーストラリアのメディア「Australian Financial Review」の取材に、こう述べた。「ビットコインに対する期待は高まっているが、通貨としての実用性やアクセスのしやすさがまだ十分ではない」
ドーシーはスクエアの新たな決済端末のプロモーションのために、オーストラリアを訪問中だ。彼は今後、ビットコインがさらに広い範囲で受け入れられることになると述べた。
「約10年の歴史を持つビットコインは、仮想通貨の中で最も強靭な存在といえる。ブランドの知名度も高く、様々なテストが重ねられている。インターネットのネイティブ通貨として、最も有望なのがビットコインと言えるだろう」
スクエアは先月、2019年の第2四半期決算を報告した。同社のP2P送金アプリ「キャッシュ・アップ(Cash App)」を通して販売されたビットコインの総額は、過去最高だった第1四半期のおよそ2倍となり、1億2500万ドル(約134億円)を記録した。
ドーシーは決算発表後の投資家との電話会議で、「ウィー・ラブ・ユー、ビットコイン」と述べた。
一方でドーシーは、フェイスブックのリブラを支持しないスタンスを明確にした。マーク・ザッカーバーグは、世界の当局の承認が得られ次第、リブラを来年にも立ち上げる計画だ。
「インターネットの世界で人々に受け入れられるのは、特定の企業に支配されたものではなく、オープンな基準で運営されるプロダクトだ」と、ドーシーはシドニーの現地メディアの取材に述べた。さらに、ツイッターが独自の仮想通貨を発行する計画は無いと話した。
フェイスブックはリブラの立ち上げに向けて、ウーバーやマスターカードなど、約27社と提携を結び、世界の金融当局や金融機関の支持を取り付けようとしている。同社は、リブラが発展途上国の金融サービスの運営コストを引き下げ、社会を前向きに変える力を与えると述べている。