1. 兆候を知る
自殺念慮(自殺を考えていること)の兆候には、仕事での孤立や仕事のパフォーマンスの低さ、性格の突然の変化、それまでの自殺未遂、自殺をほのめかす言葉(「この仕事は私がいない方が良い」「その昇進に立候補する頃、私はここにいないかもしれない」)などがある。また、絶望や鬱、燃え尽き症候群、常習的欠勤、仕事への関心の薄れなども症状の一部だ。
2. トレーニングを提供する
雇用主側では、人事担当者が自殺と自殺念慮について十分教育を受けているようにすること。従業員側では、会社で自殺が認識・議論されていない場合、全従業員へのトレーニング提供に向けたステップを取れる地位にある人と話すこと。適切なトレーニングを踏めば、自殺の兆候を特定して介入する方法を理解し、弱っている従業員が自殺を考える前に専門家の支援を確実に受けるようにすることができる。
そうでなければ、自殺を考えている従業員は社会的孤立により、最も必要としているときに支援を得られない。トレーニングでは、どのようなスティグマ(軽蔑や非難、侮辱など)も絶対に避けるべきだということを教えられる。これを守れなければ、自殺を考えている従業員は瀬戸際まで追いやられてしまう。
3. 脅しや自殺未遂を真剣に受け止める
自殺の脅しや自殺未遂は、無視したり軽く捉えたりすべきではない。データからは、自殺について話したり自殺すると脅したり、「いのちの電話」にかけたりする人は自殺する可能性が平均の30倍だということが分かっている。また、自殺する人の約40%は以前自殺未遂をした人だ。
脅しや自殺未遂は、従業員の生活に何か重大な問題があるという叫びだ。それを真剣に受け止め、すぐに対処すること。同僚が自殺を考えている場合、相手を支援し、同情心を持ち、理解することが重要だ。
同僚が自殺を考えていると感じたら、直感を信じること。相手に歩み寄り懸念を共有して、相手の話を聞こう。相手が自殺の具体的な計画を持っているかを見極め、そうであれば一人にしたり、それを秘密にしたりしない。訓練を受けていない限り、自殺を考えている人に助言しようとしないこと。上の人にすぐ連絡し、本人が抵抗したとしても専門家の支援を受けさせることを求める。
4. 同僚に支援を提供する
従業員が自殺したら、家族や友人、同僚など、関わっていた全ての人が影響を受ける。ローラの会社の管理職は、従業員がショックと喪失感を乗り越えられるよう、心の健康の専門家を活用した。トラウマをグループとして一緒に乗り越える機会を従業員に提供しつつ、このつらい時期に感情をどのように自分でケアするかに関して質問し、情報を入手するのは管理職の義務だ。
5. 支援を求める
あなたや知り合いが自殺を考えているとしたら、自殺予防ホットラインなどに連絡しよう。急を要する場合、警察への緊急電話や病院、精神療養施設などに連絡できる。