面談といえば、これまでは半期に一度の査定前などに実施されることが多かったが、コミュニケーション密度を高めるために2週間に一度、週に一度など、高頻度で行う企業がぐんと増えてきた印象がある。
上司が部下について知る機会が増えるのはとてもいいことだと思う。しかし、問題はそこでどんな情報を共有できているかだ。
今回は“部下側”に立って、より有意義なコミュニケーションにつながるヒントを伝えていきたい。
ある20代男性は嘆いていた。
「上司から毎回『1週間前と比べて、どう成長した?』と聞かれても、何も思い浮かばないんです。1週間かけて業務はいくらか進みますけれど、それを成長と言えるのかどうか……」
ここで足りていないのは何か。もしも私がアドバイスするなら、「成長の測り方・答え方を十分に理解してから、コミュニケーションを始めましょう」と言うだろう。
成長とは、過去に比べて現在の変化でありプロセス。まず、「業務の進捗確認」と「成長の確認」はまったく別物であることを整理したほうがいい。そして、「業務の進捗」という客観的な事実から、変化=成長を読み解いていく。この順序が分かりやすいと思う。
先週と比べて、具体的に業務がどれくらい進んだか。その進捗の中に、「先週うまくいかなかった案件が、今週はスムーズに運んだ」といった変化が認められたら、なぜそれがうまくいったのか、ビフォー&アフターの違いを確認することが大切だ。
うまくいった行動に結びついたのはなぜなのか。これまで使いこなせなかった新しいスキルを使えたのか? あるいは、アティチュード(姿勢)に変化があったのか? 一つひとつ確認することで、1週間前とは違った自分が見えてくる。
しかしながら、すべての仕事が短期間で進むとは限らないので、週によっては「まったく仕事が進んでいない」という場合だってあるだろう。そういう期間には「成長していない」ということになるのか? いや、そんなことはない。