ファラデーは今後、Breitfeldの指揮下で2つのゴールに向かっていく。その1つは、超豪華EV車両の「FF 91」の製造を進めていくこと。さらに、マス向けモデルの「FF 81」の量産化を実現することだ。
Breitfeldは、BMWでプラグインハイブリッド方式のスポーツカー「i8」の開発に携わった後、バイトンを共同創業していた。
「ファラデー・フューチャーのCEOに就任した今、この会社を次のステップに引き上げていく任務にエキサイトしている」とBreitfeldは声明で述べた。「私がファラデーに参画したのは、創業者のユエティンのビジョンに共感したからであり、当社は国際的なパートナーシップを既に築いている」
創業者のユエティンは今後、ファラデーのCPUO(チーフプロダクト・アンド・ユーザーオフィサー)を務めるという。ユエティンは2004年に創業した動画ストリーミング企業「LeEco (楽視、旧LeTV)」で財を成した後、2014年にファラデーを創業した。
ファラデーは多額の負債を抱えていたが、昨年6月には中国のビリオネア許家印が率いる恒大集団傘下の香港企業「恒大健康産業集団」から、約20億ドル(約2190億円)の資金調達を行ない、危機を脱したと報じられていた。
筆者はバイトンに在籍時代のBreitfeldを取材していたが、彼は当時、「会社を成功させるためには、グローバルで認知される必要がある。中国の消費者は、国産のブランドに多額の費用を支払おうとしない」と述べていた。豪華EVを世界に送り出そうとしているファラデーが今後、どのような戦略をとるかが見ものだ。
ファラデーは今回の発表に伴い、「グローバルチェアマンの人選を行っている」とも述べていた。大幅な組織改編を進めている同社の動きに、引き続き注目したい。