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DMM.com 会長の亀山敬司(写真:日本経営合理化協会)

DMM.comといえば、動画配信サービスから、ゲーム、FX、英会話など、幅広い事業を手がけることで知られている、いまや巨大複合企業だ。様々な領域に進出し、各所でその名を確固たるものにしてきた、その秘訣とは──。

2019年7月末に開催された全国経営者セミナーで語られたDMM.comの創業者、亀山敬司会長の哲学に迫る。


Forbes JAPAN副編集長 谷本有香(以下、谷本):DMMといえば、HPにもあるように「領域問わず何でもやる」会社のように映りますが、そもそもどんな企業なんでしょう? 亀山さんという経営者ともども謎に思っていらっしゃるオーディエンスも多いと思いますので、ご紹介をおねがいできますか。

DMM.com会長 亀山敬司(以下、亀山):僕の商売は、19歳の頃に自分で作ったアクセサリーを、原宿や渋谷の路上で売るところから始まりました。その後、地元の石川県加賀市に戻って、麻雀荘やカフェバーを経て、ビデオレンタル店を始めました。

当時から、いずれは映像配信の時代が来ると考えており、ビデオレンタル事業は衰退するからと、コンテンツビジネスをやりたいと思いました。

でも、映画やアニメの版権は高かったので、とてもじゃないけど買えない。当時自分の予算でやれそうなのがアダルトだったので、その版権を買ってきて、石川県の山奥でせっせとパートのおばちゃんたちにダビングしてもらい販売していました。その売り方が、それまでの売り切りとは違う委託販売方式で人気になり、全国の流通の50%くらいを出荷する物流工場に成長していったんです。

その後、インターネットが出始めた20年ほど前から、そのコンテンツを使って動画配信を始めました。高卒のアルバイトや店員たちに「みんなインターネットを勉強しろ!」ってそそのかして、DMMを作りました。会員は順調に増え、コンテンツもAKBや一般のものも増えて、社員たちのテクノロジーもどんどん進化して、今に至ったって感じですかね。

ヤドカリのように流行りの事業に乗り換える

谷本:その後の展開は、まさに今流行りの非連続の成長を見せていますよね。

亀山:アダルトからスタートしたので、男性ユーザーが多かったんです。だから、彼らには何がヒットするかな? という発想で、FX証券取引、ゲームなどに展開していった形です。

それで稼いだ資金を流行りの業種に入れていく感じで、今は、ソーラー発電やオンライン英会話やアニメ、ベルギーのサッカーチーム、水族館とかに投資しています。最近ではM&Aに力を入れていて、消防車を作る会社やプログラム教育会社、「終活ねっと」という葬儀関連の会社もジョインしました。いずれも社長は20代です。要は、エロからエコまで、AVからAIまで、何でもやってきた会社なんです(笑)。

谷本:文字通り、「何でも」やるのでしょうか? 投資基準は?

亀山:DMMの成長の形は「やどかり」みたいなもの。流行りの業種にどんどん乗り換えていくようなやり方です。

ビデオレンタル店を始めたのは、まだビデオが出始めた頃でしたが、流行って店舗が増えてくると、TSUTAYAさんやGEOさんのような大手も出て、競争が激しくなります。ビデオレンタルには将来性がないと感じていたので、稼げているうちに新しいことに投資しようといろいろ試しました。

お金を残すことや利益を出すより、「儲かる仕組み」を作り続けることが、経営者としての仕事なんじゃないかと思います。上手くいくか分からないけど、とにかく次のことをやる。

文=筒井智子 写真=日本経営合理化協会 

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