Android Autoを利用中のユーザーは今後、ブルートゥース経由でスマホをGMの車載システムと接続可能になる。
GMのバイスプレジデントのSantiago Chamorroは「グーグルとの連携により、コネクテッドで効率的な乗車体験を提供する。当社は独自に開発したインフォテインメントシステムで車両の状況の通知や、各種のレコメンドを顧客に提供しつつ、グーグルのアプリとの連携でより良いサービスを実現する」と述べた。
今回の連携により、ドライバーはグーグルの音声アシスタントを用い、ハンズフリーの通話やテキストの送受信、オーディオの操作等が行えるようになる。GMはグーグルアシスタントを同社のOnStarアカウントと連携させ、車両のメンテナンス機能も追加する計画だ。
さらに、グーグルマップによるナビゲーションや、グーグルプレイ経由のアプリのダウンロードも可能になる。グーグルのバイスプレジデントのPatrick Bradyは「GMとの取り組みは非常にエキサイティングなものになる」と述べた。
今回のGMの発表は、グーグル側としても非常に喜ばしい。アップルのCarPlayをGMの車載システムにつなぐ事も可能ではあるが、GMはデフォルトの連携先をAndroid Autoにすると宣言した。「GMはインフォテインメントシステムの基盤をアンドロイドにすることで、親しみやすく快適な操作性を実現する」と同社は述べた。
米国のドライバーらが、自動車メーカーのアプリに不満を感じていることは、J.D. Powerの調査でも明らかになっていた。聞き取り調査の結果、回答者の69%がグーグルのAndroid Autoもしくは、アップルのCarPlayを導入済みであると答えた。
一方で、回答者の30%近くが、工場出荷時にプリインストール済みのアプリの利用を停止したと答えていた。利用をやめた顧客の約半数は「必要のないアプリだった」と回答し、「より機能の優れたデバイスを利用している」と答えた回答者も18%に達していた。
J.D. Powerはレポートの中で、「自動車メーカーが顧客ロイヤリティを維持するために今後、満足度の高いアプリを提供することが必須になる」と述べていた。グーグルの力を借りて、顧客のテクノロジー面での満足度を高めるGMの動きは、まさにJ.D. Powerの忠告に沿ったものといえる。