ユーバイオームに関しては今年4月から様々な疑惑が浮上していた。同社はFBIの捜査を受けた後、共同創業者が辞任し、暫定CEOが運営を続けていた。2012年に創業のユーバイオームは、自宅でマイクロバイオームと呼ばれる生体サンプルを採取し、遺伝子解析が受けられるキットを、クラウドファンディングに出品し、35万ドルの支援金を集めて注目を浴びた。
同社はその後、1億ドルを超える資金をYコンビネータやアンドリーセン・ホロウィッツ、電通ベンチャーズなどから調達していた。Pitchbookのデータで、同社の直近の評価額は推定6億ドルに達していた。
調達資金を元に同社はプロダクトを多様化させ、過敏性腸症候群や膣の健康状態を把握可能なキットの開発も行っていた。これらのキットは、医師の監督下で用いられるものだった。
米FBIは4月に、ユーバイオームのサンフランシスコのオフィスを捜索したと報道された。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記事で、ユーバイオームは医療検査関連で不正な請求を行った疑いがあるとされた。破産の宣告書類には、同社が健康保険関連の企業から、700万ドルを超える金額の返還を求められていることが記載されている。
ユーバイオームの共同CEOのJessica RichmanとZac Apteらは7月に同社を離れ、その後はニューヨーク本拠のコンサルティング企業のチームが、経営に加わった。現在は企業再生のエキスパートであるCurtis Solsvigが暫定CEOと務めている。破産宣告書には同社が売却を検討中であることが示唆されている。