上司が部下と接する上で犯す3つの過ち

Dmytro Zinkevych / shutterstock.com

シェリー・ローズ・シャーベイは35年以上にわたり、言葉と言語が持つ力を研究してきた。その中心となるのは「LAB(言語と行動)プロファイル」システムで、これはベストセラーとなった彼女の著書『「影響言語」で人を動かす』で学ぶことができる。

このシステムはビジネス、プライベート問わず、ほぼどんな人間関係でも大きな効果があることが認められてきた。シャーベイが焦点を当てているのは、人々の潜在意識にある隠れたトリガーを見つけ出す方法だ。難しそうに聞こえるが、シャーベイはこの概念を簡単に理解できるよう説明している。

私が特に興味を持ったのは、このシステムが、マネジメント初心者であることが多い起業家にいかに役立つかという点だ。ただ、やり方を間違えてしまえばひどい結果をもたらしかねない。そこでシャーベイはインタビューで、次の役立つアドバイスを提供してくれた。

過ちその1

管理職に就く人の多くは、相手に正しい情報を与えれば相手の行動が変わると思っている。相手にするべきことを伝えれば、それをしてくれるだろう、と。だが、人は正しい情報を提供されても間違った考え方をし続けることが、研究によって繰り返し示されている。

大半の人は、どう考え、何をし、何を信じるべきかを人から指図されることは嫌だろう。相手が上司(もしくは配偶者!)だったらなおさらだ。部下に単純な事実を伝えるだけでも「命令の言語」だと受け取られ、反発を招いてしまう可能性がある。そして上司は、仕事が終わったか、正しく行われたかの確認作業にいらだたしいほどの時間を費やすはめになる。

そこで私がお勧めしたいのが、「提案モデル」を使ったコミュニケーションだ。このモデルを使うことで、こうした受動的な抵抗を避け、積極性や仕事の質・量を高めることができる。これは4つの簡単なステップからなる。

・提案を行う
・それによってどんな問題を避けたり、解決したりできるかを説明する
・利点を説明する
・全体的にみて実行が簡単であることを伝える

例えば次のように伝えてみよう。「ソフトウエアのこのバージョンがここでは最も適していると思う。なぜなら、他のバージョンで出る問題が起こらず、今使っている他のソフトウエアともうまく統合できるから。また、導入も簡単だ」
次ページ > 「フィードバック・サンドイッチ」はNG

編集=遠藤宗生

ForbesBrandVoice

人気記事