彼だけではなく、私自身も独立1年目に85%の減収を経験した。また米政府閉鎖の期間中、関係する人々の収入はゼロとなった。
あなたはいくらまで、そしてどれくらいの期間の減収だったら耐えられるだろう? 以下に、キャリア上で最悪のシナリオに備えるべき3つの理由と、そこから前進する方法を紹介する。
1. 予期せぬ事態に備える必要性
給料に占めるボーナスの割合が大きかったり、起業しようとしていたりといった場合でなくとも、市場の低迷によって突然失業する可能性はある。または自分の働く業界が新興企業によって破壊され、得られる収入の幅が横ばいになったり、低下したりすることもあり得る(私のメディア業界の知り合いの多くはこれを経験した)。あるいは、市場が安泰だと思って離職したものの、転職活動が予想よりも長引いてしまうという状況もあるかもしれない。
解決策としては、今すぐに貯金を始めること。キャリア低迷時に蓄えを使わなかったとしても、現金があれば次の昇給の交渉にも余裕ができる。いつ今の仕事を辞めてもやっていける見込みがあるため、自分の主張を貫けるのだ。手っ取り早く貯金を増やす方法としては、可能であれば残業をする、副業をする、所持品を整理して不要なものを売る、出費を抑えるなどがある。また、持ち家を使った不動産担保ローンを利用可能にしておくのもひとつの方法だ。実際に使わなくてもよいが、いざという時に選択肢となる。
2. キャリアチェンジには減収が必要な場合もある
転職情報サイト「CareerBuilder」が最近行ったアンケート調査では、半数の人が今の職は「ただの仕事」であり、キャリアとは思っていないと答えた。仕事に意味を見出すためには必ず減給を受け入れなければならないわけではないが、業界を変えたり、民間企業から非営利組織へと転職したりする場合、給与が今よりも下がるかもしれない。貯金は助けになるが、ではどれほどの額を用意しておけばよいのか? 目標の貯金額が高すぎれば、転職を必要以上に先延ばしすることになる。低すぎれば、次のキャリアやビジネスが軌道に乗る前に資金が尽きてしまうだろう。
解決策は、自分のライフスタイルはそう簡単に変えられないことを理解すること。大きな決断をする前に、まず試しに生活を変えてみよう。私は会社勤めをやめて最初のベンチャービジネスを立ち上げる前の1年間、夫の給与だけで生計を立てられるかを試し、私の収入のうち本当に必要な額を確かめた。そうして、私が最低限稼ぐべき金額に関する確かなデータを得ることができたのだ。