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中国の習近平国家主席(plavevski / shutterstock.com)

アメリカ政府が2019年9月1日、対中国制裁関税の第4弾を発動したことで、米中貿易戦争はますます激しさを増している。その影響を長期にわたって被っている業界のひとつが観光業界だ。

アメリカの各地ではここ1年で、中国人観光客の数が目に見えて減っている。

ハワイでは、2019年1月から4月までの4カ月間に訪れた中国人観光客数が、前年同時期と比べて23%以上減少した。アリゾナでは、2010年から2017年までで中国人観光客の数が4倍に増えていたが、2018年には3.7%減となった。

アメリカを訪れる中国人観光客はここ15年、着実に増えていた。それは、中国経済が好調だったことに加え、米中関係が好転していたおかげだ。しかしここにきて、インバウンド観光客の数が急減し、アメリカでは多くの都市やツアー運営会社が慌てている。中国人観光客が気前よくお金を使っていたためだ。

中国人観光客の減少は、アメリカ経済にどの程度の影響を及ぼすのか

アメリカでは、国内総生産の2.8%を観光業が占めている。そのため、観光客が少し減っただけでも、金額的には大きな意味がある。観光業界を広く見ると、アメリカを訪れる外国人旅行者の消費額は、2017年に2510億ドル(約26兆6709億円)を超えていた。訪問者総数という点で見ると、アメリカは世界3位だ。

アメリカ商務省観光局によると、アメリカ全体では、中国人観光客の数が2018年に5.7%減少した。

中国人観光客の減少は、米中貿易戦争が原因か

中国人観光客の減少に影響をもたらしたとされる要因は多数ある。第一に、アメリカを訪れる中国人観光客があまりにも増加していたため、ある時点に達したら、その成長が横ばいになるのは当然だという意見は多い。さらにドル高が、アメリカに行こうという意欲を削いでいる点を指摘するエコノミストもいる。

一方、中国政府は、米中の貿易戦争が激化していることから、国営企業に対してビジネスのための渡米を避けるよう求めている。また、アメリカへの観光旅行をやめさせようと中国政府が盛んに喧伝しているという報道もある。

中国人観光客の減少は、アメリカ経済に多大な影響を及ぼしている。最もお金を落としていく観光客は中国人であり、2018年にはその額が364億ドル(約3兆8678億円)に上っていた。中国人観光客が1度のアメリカ旅行で使う金額は平均6700ドル(約71万2000円)。アメリカを訪れる外国人旅行者の平均支出額を50%以上も上回っている。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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