これまでは、アップルがウォッチ専用に開発した睡眠トラッキングアプリは存在しなかった。外部企業が開発したアプリとしては、Sleep CycleやSleep Diary、Sleep++などがあったが、筆者はほとんど利用してこなかった。その理由は、これらのサードパーティのアプリの、ウォッチとの統合性が十分ではなかったからだ。
一方で、アップルは2017年5月に睡眠モニターを開発する「Beddit」を買収していた。アップルは新たなテクノロジーの導入に、長い時間をかけることで知られるが、約2年という期間が経過した今、その技術の本格導入に踏み切ろうとしている。
アップルが新たに発表する睡眠トラッキング機能は、追加のハードウェアを必要とせず、既に発売済みのシリーズ4や、シリーズ3でも利用可能だという。つまり、次期モデルとして期待されるシリーズ5だけでなく既存のウォッチでも使えることになる。
同社が睡眠トラッキングを導入するにあたり、課題となったのがバッテリーの持続時間だ。ウォッチは現状で2日間近いバッテリー持続時間を実現しているが、それでも多くのユーザーは睡眠中に充電を行っており、就寝する際にはウォッチを外している。
9to5Macによると、アップルは複数のウォッチを所有する人に対しては、睡眠中は別のウォッチを装着することを推奨するという。また、1台のみを所有するユーザーには、夜になるとリマインダーを送り、事前に充電することを促すという。
ウォッチのセンサーは心拍モニターやモーションセンサー、マイクで睡眠状況をトラッキングする。また、アラームをセットしてバイブレーターの振動で、起床を促す機能も持たせる。設定時刻以前に目が覚めてしまった場合は、アラームは自動で解除される仕様だ。
睡眠の質に関するデータは、ヘルスケアアプリとウォッチ用の新しいSleepアプリで利用可能になるという。
機能の詳細はまだ不明であり、他の睡眠トラッキングデバイスのようなスマートアラーム機能が実装されるかどうかなど、気になる部分は多い。ただし、来週の新製品発表会で何らかのアナウンスが行われることは、ほぼ確実視されている。