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2019.09.04 10:00

熱狂の中心は世界に、地方に。東京ガールズコレクションが企てる「カオスからの革命」


TGCのプロジェクト展開で、特に力を入れているのは地方創生だ。村上氏はこう語る。

「東京ガールズコレクションをシェアラブルな形にしたものが“TGC”というブランドです。その展開方法は大きく2つの指針があって、1つは東京ガールズコレクションとしてカバーしきれない部分を展開していくこと。もう1つは三方よしの理論に則って、社会にとっても価値のある展開を目指すことです。

TGC Night、TGC CAMPUS、TGC teen、TGC AUDITIONなどを展開していますが、その中でも最も力を入れているのがTGCの地方創生プロジェクトです。

TGC独自のプラットフォームを活用し、地域の財産や魅力をPRしたい。そのためにまず、僕らがその財産や魅力をコンテンツ化してそれを全国に発信する。それがTGCの地方創生への取り組み方です。僕ら独自のコンテンツ力と発信力、そして企画力を、各地域にプラットフォームとしてもち込みたい」

地方でのTGCでは、地元の百貨店や駅ビルと連携し、東京のチームが、開催地の商材をその特色を活かした方法で演出する。例えば、地方創生プロジェクト第1段として行われたTGC北九州では、博多織や久留米絣などをショーの中に用いている。

地方の特色を活かしたものがメディアやSNSを通じて発信されると同時に、ショーで見たものが地元で買える。また、TGCの会場の外でも地元とのコミュニケーションは行われ、ネットワークが作られるので、ショーが終わった後の次なる地方創生にも発展する可能性がある。

TGCが他方に刺激を与えて独自の進化も遂げる、という意味での「カルチャー」のプラットフォームであることにもこだわりをもつ。そんなTGCならではの地方創生と言えるであろう。

国連ニューヨーク本部で開催

TGCの広がりは国内にとどまらない。立ち上げから15年、TGCが達成したもっとも大きなことは、「国連ニューヨーク本部」でのショー開催だろう。平和と平等を活動の軸として掲げる国連で、日本を代表するカルチャーとしてファッションセレモニーを開催できたことは、TGCが「ファッションビジネス」のコンセプトをはるかに超え、「ソーシャルモデル」として評価された瞬間だった。



独自のプラットフォームを築き、その「革命」の一環として地方創生や復興事業にも携わり、国連での開催をも実現したTGC。世界的な広がりを見せる今後の「東京ガールズコレクション」の展開に期待が高まる。

そんなTGCの15年目、そして新時代初のショーが9月7日、さいたまスーパーアリーナにて開催される。テーマは”レイワガールズレボリューション”。世界中から注目を集める東京のガールズカルチャーが永遠に輝き続け、TGCが明日への希望に満ち溢れた新時代をガールズ達と創造していけるようにとの思いが込められている。

「ガールズカルチャーの要」として疾走し続けるTGCが巻き起こす熱狂とそのストーリーのレベルは、今後もまたアップグレードしそうだ。

文=河村 優

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