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2019.09.04

熱狂の中心は世界に、地方に。東京ガールズコレクションが企てる「カオスからの革命」

マイナビpresents TOKYO GIRLS COLLECTION by girlswalker 2019 SPRING/SUMMER

年に2回、日本中の女子たちが熱狂する日がある。「東京ガールズコレクション(TGC)」だ。

“日本のガールズカルチャーを世界へ”をテーマに、「SPRING/SUMMER」「AUTUMN/WINTER」と、年に2回開催される史上最大級のファッションフェスタは、今年で初開催から15年目を迎える。

日本のガールズマーケットの中心的役割を担い、ファッションのみならず様々な業界へ革命を起こし続けるTGCの取り組み。TGCを率いるのは、立ち上げ当初から携わりTGCキャスティングプロデューサーとしての経験もある「W TOKYO」代表取締役社長の村上範義氏だ。


「W TOKYO」代表取締役社長兼東京ガールズコレクション実行委員会 実行委員長 村上範義氏

毎回3万人を超える来場者数を誇るTGC。来場者のほとんどは「F1層」と呼ばれる20代から30代前半の女性である。3万人もの女子が一挙に集まる会場はまさに熱気、熱気、熱気の渦。どこもかしこも当日のために精一杯おしゃれをした女子たちでいっぱいだ。会場にはいくつものブースが設けられ、各企業の商品を試すことができたり、抽選会に参加することができるなど、女子たちが大いに楽しめる空間となっている。

ファッションからヒエラルキーをなくす

TGCのメインは、やはりトップモデルたちが一挙に集うファッションショー。今年のランウェイにも、女優の新木優子や中条あやみなど豪華な顔ぶれが登場する。

TGCは、パリ、ロンドン、ミラノ、ニューヨークの4大コレクションで見られるようなアート性第一のパフォーマンスではなく、一般の人々が日常でおしゃれを楽しむための「リアルクローズ」のショーであることが大きな特徴だ。「SPRING/SUMMER」と「AUTUMN/WINTER」に向けてリアルクローズブランドが発表した最新作を、モデルたちが着用してランウェイを歩く。

通常、ファッションショーといえば、各ブランドが次期タームに向けて製作したものを、ブランドの威信を背負って発表する場としての意味合いが大きい。そのため、ショーを見られるのはごく一部のファッション関係者や報道陣のみ。きわめて閉ざされた空間だ。

しかし、TGCは違う。ファッションショーは一部の人たちのものであり敷居が高い、というイメージを大きく覆した。すぐに着られるオンシーズンの服が披露され、しかもそれを見るのは一般人、若い年齢の女子たちなのだ。また、通常ショーが行われる際はブランドのイメージを最大化するため、ランウェイ周りの席次が厳正に決められるが、東京ガールズコレクションでは、こういった「ヒエラルキー」が存在しない。
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文=河村 優

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