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2019.09.27

「死の谷」を越えた起業家たちが当たり前にしている14のこと

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近年、ベンチャー企業の倒産率が増加していることをご存知でしょうか。

東京商工リサーチの2018年のデータ(※1)によると、2017年の設立10年未満の企業倒産率はここ10年で5ポイントも上昇しており、実に24.5%に達しています。若い企業であるベンチャー企業の約4分の1が倒産していることになります。

私は2005年に最初の起業をして、その後シリアルアントレプレナーとして現在はC2Bのリユースプラットフォームを運営しています。

私自身が起業家として活動していく中で、これまでに多くの起業家たちに出会ってきました。私の友人の中にも、成功して会社を大きくした起業家もいれば、志半ばに倒産してしまった起業家もいます。

そういった起業家たちを見ているうちに、私の中に「成功した起業家と倒産してしまった起業家の違いはどこにあるのか?」、それと同時に「一人でも多くの起業家に向けて何かできることはないだろうか?」という気持ちが芽生えはじめ、この問題について慶應SDMにて研究をはじめました。

そこから見えてきたものは、ベンチャー企業の成長プロセスに潜む「死の谷」の存在でした。

話は少し遡りますが、私が最初に起業する前の2002年に「中小企業挑戦支援法」が国会で可決され、株式会社の設立に必要な資本金が1000万円から僅か1円で可能となりました。その頃からベンチャー企業の起業初期を支えるエンジェルの投資額が増えていき、ベンチャーキャピタル(VC)からの投資や金融機関などからの融資も積極的に行われるようになりました。法的な規制緩和だけでなく、資金面でも日本の起業環境は改善されてきたと言えます。

それなのに、なぜ倒産率は上昇しているのでしょうか?

ベンチャー企業の成長プロセスはシード・アーリー・ミドル・レイターと分けることができます。なお、総務省の情報通信白書が引用する「ベンチャー白書2017」(※2)では、それぞれのステージを以下の表1のように定義しています。


表1 ベンチャー企業のステージ区分

ベンチャー企業にとって必要な資金は、この成長プロセスが進むにつれて順に増加していきます。しかし、実際の資金獲得量は以下の図で示すとおり、アーリーステージで大きく凹んでいます。


図 ベンチャー企業の成長プロセスに潜む「死の谷」(総務省「平成19年版 情報通信白書」を基に筆者作成)
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文=木暮康雄

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