テクノロジー

2019.09.03 07:30

ProPILOT GOLF BALL予想外の反響は、先進技術の「未来すぎない」期待感

坂元 耕二

ProPILOT GOLF BALL

パターのクラブが自分の身長の半分という小さな男の子が、あさっての方向にパッティング。転がるゴルフボールはゆっくりテロテロと進んでいき、見事にカップイン。

日産「Pro PILOT2.0」の仕組みを応用した、“ProPILOT GOLF BALL”のCM動画が注目されている。ゴルフ経験者からすると、ボールに細工があるとは思えないほど転がり方が自然で、その自然な様から、どんな仕組みなの?というよりも先に、「やってみたい!」と思ってしまう。

夏休みも最後となる、8月29日から9月1日までの4日間、日産グローバルギャラリー(神奈川県横浜市西区)でその不思議なボールの体験会が行われた。初日に先立ってメディア向けの取材時間が与えられ、これはまず体験!とばかりに駆けつけた。

さっそく体験


TV取材のカメラが遠巻きに並んでいて緊張しましたが、撮られているわけもなく。そんなことより驚きなのは、ゴルフボールがほとんど本物に近いということ。自走するためのガジェットを使うというより、本当にパターを打っている感覚だ。


待ちきれないお子さんが飛び入りで体験。テロテロ、クネクネのボールの動きに視線が釘付け。この子は将来、日産車のオーナーになるのかな。

ボールがカップインする仕組みはこうだ

グリーンの上には、全体を俯瞰できるカメラが設置されており、センシング技術を使いボールの現在地を特定する。バックグラウンドでカップまでのルートをコンピューターで計算し、無線を使ってボールに指示を出す。ボールは自走し、カップ(目的地)イン、という流れだ。


会場の裏では計算されたルートをボールに送っていた。ノートパソコン2台、タブレット1台のシンプルさに少し驚いた。自走するボールはどんな仕組みなのだろうか。さすがにそれは見ることができなかった。

日産担当者の目の輝きが、楽しさとワクワクを物語る

プロパイロット2.0とは、「ナビゲーションシステムで目的地を設定し、3D高精度地図データ、カメラやレーダーによる周囲情報を基に、追い越しや分岐なども含めてシステムがルート上にある“高速道路”の出口まで走行を支援」するものだ。

2019年9月(8月30日時点で詳細は未定)から「スカイライン」に搭載され、いよいよ実車で体感できるようになる。同一車線内の〈ハンズオフ〉(手をハンドルから離した状態)は矢沢永吉さんのCMで印象に残っているが、いよいよかと思うと同時に、実際は手を離すのは怖いだろうなと想像したり、それもまた楽しいのが先進技術の夢のある部分だろう。
次ページ > 体験会場の奥にニクい演出も?

文・写真=坂元こうじ(Forbes JAPAN)

ForbesBrandVoice

人気記事