大学ランキングが抱える限界

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誤解を招く学費情報

平均的な学生が受ける学資援助の額は、あなた自身が受け取れる額とは全く異なる。自分は全く援助を受けられないとか、平均的な額しか受け取れないとは思い込まないこと。米国の特定の大学で、あなたの家族が具体的にいくら教育費として支払わなければならないかを特定する最善の方法は、その大学の総費用/EFC(家族が1年に負担できる学費の上限)算出ツールを使うことだ(その大学にこうしたツールがない場合、良い兆候ではない)。また、大学の入学課に問い合わせたり、進学支援NPOのウェブサイトで情報を探したりすることも考えよう。

細かな順位ではなく、どの層に属するかが重要

人は時に、大学ランキングは重要ではないとまで言ってしまうことがある。「必要なのは自分に最も合った大学を見つけること!」というのは良い考え方ではあるが、大学が自分に合っているかどうかを示す基準には例えば、2年生へと無事進級する学生の数や、4~6年間で卒業できる学生の数がある。これは、ランキングで考慮される基準の一部だ。出願先の大学を決める上で相性は重要だが、進学先の大学を決める場合はランキング(あるいはその大学が所属する層)を考慮すべきだ。私は大学を次の3つの層に分けている。

ベースラインの層

ただランキングに載っているだけの大学だ。米国には、学位を取得できる教育機関が4000以上存在するが、ランキングに頻繁に載るのはわずか300校ほどだ。このうちの1つに入学すれば、ランキングに載っていない大学よりも良い選択となる可能性が高い。私は滑り止め校を含め、少なくともこのベースラインに入る大学を選ぶことを勧める。プリンストン・レビューなど一部のランキング作成機関は、こうした300校ほどの大学を選出し、順位づけをせずに公表する方式を取っている。

上位層

上位の100校ほどに入っている大学だ。この層の大学に入れば、200位以内に入っている大学よりも良い選択になる可能性が高い。

トップ層

「トップ20」と称されることが多い大学だ。私はこの層を、最近のランキングで上位20位以内に入った大学と定義している。年によって順位は大きく変動するため、多くの人はここで細かくえり好みをしてしまう。しかし教育誌「高等教育研究(Research in Higher Education)」に2014年に掲載された調査結果によると、順位に変動はあるものの、現実として30位台半ば以降の大学がトップ20位以内に入るには相当な努力が必要となる。そのため、こうしたトップ層の大学で学生が得られるものは、下の層の大学と比べて大きく異なる。

編集=遠藤宗生

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