ビジネス

2019.09.01

自動運転に大きく近づく日産プロパイロット2.0

プロパイロット2.0を搭載した日産スカイラインに試乗

日産にとって、スカイラインは重要なモデル。だから、大幅改良した車種は大きなニュースになっている。ハイブリッド仕様と3リッター・ターボのどっちが魅力なのか、それとも405psを叩き出す400Rが買いなのか、大きく迷うことだろう。

でも、話題になっている理由はそれだけではない。この新しいスカイラインには、高速道路「手放し運転」が可能なプロパイロット2.0が初めて搭載されているからだ。それこそ、自動運転を連想してしまうが、実際どうなのか?

日産は当然、「自動運転」という言葉を使いたがらないにしても、このプロパイロット2.0搭載のスカイラインが高速道路でできることは、言ってしまえば「条件付き自動運転」だ。つまり、条件付きレベル3と言っていいだろう。



条件付きと言うのは、プロパイロット2.0が作動するのは、高速道路あるいは自動車専用道路を走る時だけだからだ。高速道路に入って、ステアリングホイールの右側に配置されたプロパイロット2.0の専用ボタンを押し、そのすぐ隣りのスイッチで速度を設定すれば、そのまま「条件付き自動運転」が作動される。

でも、そこにたどり着くまで、また条件がある。高速道路に入ったら、車線のど真ん中を少し走り、システムが周りの安全を確認した上でないと、専用ボタンを押しても、プロパイロット2.0は作動しない。

でも、一回作動してしまえば、もう運転は楽チン。手を放していい。僕は実際5分ほど手放し運転を経験した。前の車両にロックオンして、そのまま80km/hをキープしながら、ぴったりと追従した。しかも、不思議と言えるぐらい、スカイラインは車線のど真ん中を上手に走りながら、体が感じる修正は全くない。これこそが、皆さんが夢見ている自動運転ではないだろうか。

プロパイロット2.0は、セレナに搭載されているプロパイロットよりもハードウェアが大幅に進化している。プロパイロットのセンサーは単眼カメラだけだが、プロパイロット2.0では、カメラが7個、レーダーが5個、音波ソナーが12個装着されているし、3D高精度地図データも完備。やはり、これだけの技術を組み合わせると、車両の周囲360度の情報と道路上の正確な位置を把握することができる。
次ページ > カメラが常にドライバーの状態をチェック

文=ピーター・ライオン

ForbesBrandVoice

人気記事