今年第2四半期の売上高は、前年同期比3%減の10億4900万ドル。既存店売上高は同4%の減少となった。また、純利益は6%減の1億3600万ドルだった。決算発表を行った同社のアレッサンドロ・ボリオーロ最高経営責任者(CEO)は、これらの結果は予想を上回るものだったと説明している。
一方、決算発表で同CEOは、楽観的すぎるともいえる目標を達成するための、いくつかの計画を明らかにした。まず、年度内にインドのデリーに同国初の店舗を開設する他、世界で合計10店舗を新設。また、17店舗の改装や移転を行う。
さらに、上海と香港に「ブルーボックスカフェ」を開業する予定だ。ニューヨーク以外では初の常設での出店となる。同CEOは、これらがニューヨーク店と同様、「消費者の高い関心を引き付け、客足の増加につながる」ことを期待していると述べている。
ただ、この計画は今後、不安定な香港情勢から影響を受ける可能性がある。ティファニーは同地に10店舗を展開しているが、すでに6営業日にわたる予想外の閉店を強いられている。
香港は同社にとって、米国、日本、中国本土に次いで4番目に大きい市場だ。金融サービス会社コーウェンのシニア・アナリスト、オリバー・チェンによれば、同社の世界全体での売上高に香港の店舗が占める割合は約6%。今後も混乱が続けば、売上高は前年比で10%以上、多ければ60%減少することもあり得るという。
中国市場の最重要は変わらず
ティファニーの成長を支えているのは、依然として中国市場だ。そのため同社は、中国事業をさらに後押しするため、集中的にマーケティングやメディア露出向けの予算を投下している。
ボリオーロCEOによれば、そうした取り組みによって、「中国におけるティファニーのブランドパワー・ランキングの順位は、過去1年の間に4位から2位に上昇した」という。
中国ではその他、北京と上海、香港の旗艦店の開業や移転を進める。北京首都国際空港と香港国際空港の免税店はそれぞれ、拡張と移転を計画中だ。その他、同国でのオンライン販売事業の強化にも力を入れる。