米非営利組織フリーランサーズ・ユニオンと米クラウドソーシング大手アップワークの調査では、2027年までに米労働者の約50%がフリーランスになると予測されている。この時期に大学を卒業し社会人の仲間入りをする米国の学生にとっては、こうした変化はわくわくするものであると同時に困惑するものかもしれない。
それでは、ギグエコノミー(労働者が単発の仕事を受注することで成り立つ経済)は米国の学生の未来にどのような影響を与えるのだろう? その中には、良いこともあれば、それほど素晴らしくはないこともある。
雇用ではなく仕事を探す
福利厚生が付いた従来型のフルタイムの仕事は現在もはや雇用の主要なモデルではなく、短期や契約の仕事が新たな基準となっている。新卒者は、学校卒業と同時に従来型の仕事が見つからないかもしれないという現実を受け入れる必要がある。多くは自分自身で雇用機会を作り出す必要があるだろう。
しかし、仕事が減っているというわけではなく、逆に機会は豊富にある。しかしそれらは「従来型の仕事」という形式ではなく、ギグ(単発や短期の仕事)として現れるかもしれない。
今後数年間でギグワーカーが自社の労働力の大部分を占めるようになると考えている企業は40%に上る。さらに、企業はスキルが高い労働者に高額の報酬を支払う用意がある。ギグワーカーの40%は既に年収が10万ドル(約1060万円)を超えている。大多数は、企業内で出世の階段を10年間登ることなしに高額な報酬を得るようになった人たちだ。
旅行会社ボイジャーズ・トラベル(Voyagers Travel)のアンドレ・ロブレスは、「ギグエコノミーでのキャリア成長は、従来型の仕事環境よりもはるかに速いペースで進めることができる」と語る。
「また、時間を制御する柔軟性も持て、他の関心も追求することができる。世界を旅し、素晴らしい自然や文化を持つ旅先を楽しみつつ、働き続けてきちんとした収入を得ることができる。そのため新卒は、ギグエコノミーの中でより合理化されたキャリアアップの道をたどる機会が持てる。ただし、そのためには努力を重ね、スキルの改善に継続的に投資しなければならない」(ロブレス)