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10歳の時にスペインに渡った経緯もあり、多くの日本人選手が海外移籍後に苦労する「言葉の壁」は久保には存在しない。レアル・マドリードに移籍後、SNSの公式アカウントに投稿されている動画には、スペイン語と英語を巧みに使い分け、世界トップクラスの選手たちと和やかに会話を交わす久保の様子が映っていた。
試合後のインタビューでも18歳とは思えないほど冷静なコメントを発する久保だが、幼い頃から「策略家」の側面も持ち合わせていたようだ。
かつて所属していた川崎フロンターレU-10では、10歳ながら「ここで生き残るにはどうすればいいか」を考え、クラブや代表チームなど年齢もキャリアも上の選手ばかりの環境では「いじられキャラを見つけて」コミュニケーションを図るしたたかさを兼ね備える。
今年8月22日、久保のRCDマヨルカへの期限付き移籍が発表された。RCDマヨルカは、これまで2人の日本人選手(大久保嘉人、家長昭博)がプレーしたクラブで、レアル・マドリードやバルセロナと同じリーガ・エスパニョーラに所属する古豪だ。
SNS上では、レアル・マドリードで世界のトップ選手たちとの競演を楽しみにしていたファンたちからは、RCDマヨルカに移った久保に少なからず失望も抱いたが、若干18歳でやはり未来ある久保の成長を願う声も多く上がっている。日本を代表する若き才能がスペインの、そして世界の舞台で躍動するその日が待ち遠しい。
くぼ・たけふさ◎2001年、神奈川県生まれ。3歳でサッカーを始めた後、国内外でプレー。日本代表にも選出。19年6月にレアルマドリードへ入団後、8月22日にRCDマヨルカへ期限付き移籍。
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