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石井リナ

日本を代表するビジョンや才能を持った30歳未満の30人を表彰する「30 UNDER 30 JAPAN 2019」のインフルエンサー部門に選出された石井リナ。女性向けエンパワーメントメディア「BLAST(ブラスト)」を立ち上げ、シリアスな社会問題からセックスまで多様なテーマを発信している。

なぜ、石井はこれまで女性が触れづらかった話題に斬り込んでいくのか。



性別ではなく“私”を生きる

白地に赤いドット柄が目を引くワンピースに、ふわりとウェーブがかったヘアスタイルで、石井リナは現れた。

まっすぐにこちらを見て「初めまして」と挨拶する目には、赤みがかったまつ毛がふさふさと生えている。ファッション、ヘア、メイクのどれを取っても洗練されていて、なおかつ確実に自分に似合うものを選び、つま先から指先のネイル、髪の毛一本一本まで、独自のスタイルが創り上げられているようだった。

石井に初めて会った瞬間、思わず息をのんで見入ってしまったのは、同じ女性として彼女のクールなセンスに憧れを抱いたからだ。その装いは、女性向けメディアで使われる「モテ」や「愛され」というキーワードにとらわれていない。純粋に好きなファッションを楽しんでいるようで、選んだ洋服やアクセサリーの一つ一つが、石井の持つ華やかな雰囲気をよりいっそう引き立たせていた。

ワンピースをどこで買ったのか訊ねると、「大好きな海外ブランドのもの」だと言いながら、フォローしているインスタグラムのブランドアカウントを見せてくれた。

「ファッション誌の編集者になりたかったんです。中学、高校では毎月何冊も雑誌を買って友達と回し読みしていたし、大学ではファッション誌のラボプロジェクトに参加していました」という。その言葉に納得するとともに、不思議に思った。

なぜ石井は今、ファッションという分野に留まらず、多様なテーマで女性たちに新しい価値観を提案しているのだろうか。

2018年3月、石井は女性向けエンパワーメントメディア「BLAST(ブラスト)」を立ち上げた。BLASTはインスタグラムとツイッターを中心に動画を配信する分散型メディアで、ファッションやライフスタイルのトレンド情報はもちろん、シリアスな社会問題からキャリア、性とセックスまで、さまざまなテーマを扱っている。

BLASTのインスタグラムとツイッターのトップページには、「自分らしく生きるために、私たちはもっと知りたい」と記されている。そのメッセージを読み解くには、石井の生い立ちに触れておかなければならない。

石井は共働きの両親と妹の4人家族で、父親がフレックスな働き方をしながら家事の8割をこなす家庭で育った。毎朝見送ってくれるのも、何かあったときに相談するのも父親。中学・高校の6年間は男女別学の学校に通い、女子ばかりの環境だったため、思春期に異性の目線を気にしたことはなかったという。

文=松尾友喜 写真=小田駿一

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