世界最難関コンクールで最年少優勝した三浦文彰が「楽曲が血に流れるまで演奏する」理由 #30UNDER30


「音楽は、自分の生きているそのまんま」

「朝起きると、ふと『今自分はどこにいるんだろう』と戸惑うこともありますよ」

世界各国のコンサートへ出演する三浦にとって、旅は日常だ。移動、リハーサル、本番を繰り返す。しかし、どこにいても毎朝の基礎練習は欠かさない。トップアスリートが毎日準備運動を繰り返すように、音階を確認して、冷えた楽器を起こし、体の調子をチェックする。

そのような音楽漬けの日々は、日本中に三浦文彰という名を広める大きな機会を呼び寄せた。23歳のとき、NHK大河ドラマ「真田丸」のメインテーマ曲のヴァイオリンソロに抜擢されたのだ。

「曲が本当に素晴らしかったです。演奏する側もやりがいがありましたし、たくさんの人に知ってもらえる契機になった。コンサートに親子連れが来てくれて、『真田丸をきっかけに子どもがヴァイオリンを習うようになった』という声を多く聞いたのはとても嬉しかったですね」

天才少年と謳われた幼少期を経て、世界を代表するヴァイオリニストになった三浦。しかし 本人はいたって自然体を貫き、いまでも音楽を純粋に楽しむ。

著名な演奏家とふらっと食事に行っては、国際音楽祭の共演を決めてきたり、同年代のピアニスト・辻井伸行たちと「サントリーホール ARKクラシックス」を開催するなど、新しい室内オーケストラを始めてみたり、自由に演奏し続け、世界中の観客を魅了する。

最後に三浦は、ヴァイオリンと二人三脚で歩む人生と、音楽への純真な想いを語った。

「ヴァイオリンは体の一部です。レパートリーを深く読み、歳を重ねる毎に良い音を弾きたい。やはり良い演奏ができると嬉しいし、楽器も喜びますから。

音楽というのは、自分の生きているそのまんま。僕はもっと音楽を知りたいんです」

<受賞者たちへの共通質問>
今後3年で成し遂げたいことは?




みうら・ふみあき◎1993年、東京都生まれ。2009年ハノーファー国際コンクールにおいて最年少の16歳で優勝。大河ドラマ「真田丸」のテーマ曲を演奏して話題に。

三浦をはじめとした、個性あふれる「30 UNDER 30 JAPAN 2019」の受賞者の一覧はこちらから。若き才能の躍動を見逃すな。

文=田中一成 写真=小田駿一

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30 UNDER 30 2019

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