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新しいことを生み出し、喜びを与える 
高校卒業後はケンブリッジ大学に進学し、政治学を専攻し、心理学なども学んだ。ケンブリッジでは偏見やいじめによって落ち込んだ時期もあったが、大学卒業後に表現者として、思いを楽曲制作へと昇華させていく。

現在は音楽レーベルに所属せず、衣装から映像の演出まで、クリエイティブについての最終決定権は自身で握る。

「ステージやショーをひとつやるのに何人ものチームメンバーがいるし、マネジメントチームもいるので、私ひとりで全部やっているわけじゃないんですけど、一応全体的に目を通してますね。私の上には誰もいないので、社長のようでもあります」

 彼女にポップシンガーとして役割について問うと、力強くこう答えた。

「ライブで喜びを与えることですね。アーティストとしては新しいことを生み出すことです」



リナ・サワヤマは、今後、どんな世界が見たいのだろうか。これにはいささか意外な答えが返って来た。

「最近ずっと考えていたんだけど、地球温暖化問題の解決をプライオリティーにする世界になってほしいです。そろそろ行動を変革しないと、地球環境のバランスがどんどん崩れてしまう」

この問題については、音楽表現というよりは、例えば企業やブランドと組みながら、インスタグラムなどSNSを通じて対話を呼び掛け始める、といったアイデアがあるという。

また30 UNDER 30 JAPAN受賞者への共通質問である「3年後に実現したいこと」と聞くと、これまた意外な回答があった。

アルバムを掲げたワールドツアーを終えた後には、「すぐに新しいアルバムを制作するのをやめて、ひとつの案として、アイデアを膨らませるためにも、大学院の修士課程に通おうかなって思っています。いまはエコビジネスやエコロジー、アジアスタディーズなどいろんなことに興味がある」と明かした。

「ずっと音楽をしていると、書いていることが同じになってきちゃうんですよ。インスピレーションって毎日頭の中に新しいことを入れないと、湧いてこないので。大学院へ通うのは、きっと3年後にはやりたいことですね」

今後、日本やアジアでのショーも開催したいと意気込んでいる。アジア人アーティストとしてサワヤマは、私たちにどんなメッセージを伝えたいのだろうか。

「若い人たちを中心に、これから国境も性別もどんどんボーダーレスになっていく。一方で世界的な情勢が不安定になったとき、もっとアジアが連帯して思いやりを持つことが大事だと思います。国籍、ジェンダー、セクシュアリティーも含めて、日本の中でも差別をなくしていきたい。皆さんには、これからそんな世界観を伝えていきたいですね」


りな・さわやま◎1990年生まれ。4歳でイギリスに移住。ケンブリッジ大学卒業。2017年にミニアルバム『RINA』を発売。新世代のポップシンガーとして注目される。

リナ・サワヤマをはじめとした、個性あふれる「30 UNDER 30 JAPAN 2019」の受賞者の一覧はこちらから。若き才能の躍動を見逃すな。

文=督あかり 写真=本人提供

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