「グローバル思考」の伸ばし方

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新規事業のために独立運営のイノベーション拠点「出島」を設置する企業は、日本の大企業の2割を超えたと言われています。また、2017年以降、国内のコワーキングスペースは増加・拡大の一途。「環境の変化」という刺激によって、コラボレーションや事業創出を加速させたい企業が多いのは間違いがなさそうです。

そんな中、出島も設置し、コワーキングスペースも利用しているという大企業の役員から、新規事業開発がうまくいかないという相談を受けました。

彼は、大前研一氏が提唱する「人が変わる方法」の3項目、1. 時間配分を変える、2. 住む場所を変える、3.付き合う人を変える、に基づき、各種取り組みを進めてきたといいます。

しかし、「コワーキングスペースや出島で働く環境や付き合う人を変えたのに、イノベーションに結びついていない」というのが実感で、新規事業開発部から出てきた事業案で売上につながっているものはなく、どう軌道修正するかを悩んでいました。

私は25年以上、事業開発領域で仕事をしており、数千億円規模の事業を作り出すタネを常に探しています。さまざまな書籍や文献に触れ、国内はもとより、世界25カ国を訪れて多様な人々の話を聞き、社内の既存事業を運営する人たちともディスカッションをしながら事業を立ち上げてきています。

その経験から、ブレイクスルーを起こしたいなら「環境を変えてみる」というのは一概に間違いではないと考えています。とはいえ、ただ単に変えればいいのではなく、創造的になるための環境の変え方というものがあるはずです。では、そのための要素はなんなのか。「場」として成功している2つ例を軸に考えてみました。

「ミッション」を持つ人が集まる環境を選ぶ

三菱地所とSAPは今年2月、大手町で「Inspired.Lab」をスタートしました。運営チームの吉越輝信氏が「本気で変革したい意思を持って、新規事業開発をしている人しか入居できない」と語るイノベーション・スペースでは、早くも「結果が出はじめている」そうです。

オフィスはすべてガラス張り。他社がどんな仕事の仕方をしているのか、すべて目に見えるつくりになっています。


Inspired.Lab(著者撮影)

ここに集まる大企業やベンチャーの新規事業担当者は、社内でなかなか理解してもらえない事業にどうしたら他部所を巻き込めるか、役員会でどう説明すれば投資が得られるかなど、社内でぶつかる壁をいかに乗り越えるかの情報共有をしています。また、入居企業同士のブレストセッションもよく行われているそうです。

文=秋山ゆかり

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